通常、我々のような社員ドライバーには、その日の仕事の内容が記載されている運行指示書というものが、事務所の方から前もって渡されます。
そこには大抵、顧客名、番組名、現場担当者名、搭乗人員数、配車場所、配車時刻、行き先、そして、積載物に合わせた搭乗車両等が記載されています。
ドラマ等の場合ですと、指示書の他には普通、その日のスケジュールと集合場所の地図、その他の現場地図なんかが添付されており、それらの書類を見ることによって、我々ドライバーは、一日の流れを知ることが出来る訳です。
ですがもし、それらの情報がないままに、ロケ当日を迎えたとしたならば、それはそれは不安で憂鬱な精神状態で現場に行かなければならなくなるのですよ。
そして今回のロケの場合、指示書はあったもの、何車であるかは記載されていなかったのです。
「一応トラックで行ってもらうのですが、何を積むのかは、先方も教えてくれなくって…」
「後は当日、現場の担当者からの指示で動いて下さい」
これが前日、事務所からの唯一の指示だったのです。 つまり何を積むかも分からずに、ただ集合場所の地図だけを渡されていたのでした。
ロケ当日8時半。 配車指定時刻に直接現場入りするも、人影無し。 勿論スケジュールなんて持ってませんから、本隊が何時集合だの、何時開始だのという事は、一切分かりません。
少ししてから、ようやく担当者が来て、概略を説明してくれました。
「実は昨日、終わったのが朝の5時半で、その分開始時間が変わって遅くなったんですよ」
いやだから開始時間すら知らないんだってばぁ…
「それで我々は、この後ここでロケをしますから、とりあえず照明機材を一部積んで、返却行って来て下さい。 それからナイター分の照明機材を積み込んで…」
ん? これは照明トラックの動きか? でも現場に関係ないから照明別トラか。
とりあえず指示通り、照明機材を積み替えに単独で向かう。 しかし積み替えた後はどこへ行けばいいのだろう…
スケジュールも無ければ地図も無いというのに…
いや、それよりもこれが何のロケかも分からない。
14時。 照明機材積み替え終了。 トラックで行ったので、満載覚悟をしていたのですが、なんと平積みでも床が見えています。
ますます何のロケか分からなくなってきました。
担当者に電話をし、ナイターの現場をやっと聞き出します。 しかし教えてくれたのは地名だけで、後は勘が頼りとなりました(ToT)
「いつもロケやってる所だよ」
日暮れ前。 勘だけを頼りにとある路上付近へ。 ロケバス発見! どうやらロケというのは、大体皆同じ様な場所でやっているらしい。
そしてこの日、この時間になって初めて、ロケ隊に出会しました。 それは少人数の極めてコンパクトなロケ隊。
加えて段取りごときでパニクっているチーフ助監督とたった一人だけの照明部。 さらに学生みたいに子供っぽいアシスタント連中が、右往左往しているような現場。
これは一体何のロケなんだ…
照明車であった筈の僕のトラックには、いつの間にか、自転車やパソコン等の美術部の品も積まれ、それこそ何部のトラックかも分からなくなっています。
この際、照美混載でも構わない。
けど…
僕は何のロケ現場にいるのかを、知りたくて知りたくてたまりません!
暗くなってから約2時間が経ち、ヘボヘボ段取りもようやく終わって、やっとこさ辿り着いたナイターの1カット目。
ついに僕は、この日のロケ内容を知った。
「アハーン、ウフーン アッ アッ アッ…」
暗闇に浮かび上がる男女二人の影。
ああ、何てサイテーな夜…
僕の悩み抜いた一日を返して下さい。
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2006年03月31日
2006年03月28日
悲しき比較対照
監督車件エキストラの控え車をした時のこと。
つまりこの日の仕事は、現場から現場へは監督やメインスタッフを乗せて移動し、その待機中には、出番のないエキストラの方々の控え場所としてこの車両を提供するというもの。
そんな中、この日は色々な人間模様を観察する事が出来ました。
まず午前中。 公園で遊ぶ子供達(A)(B)(C)。 平均年齢5歳が待機。
皆さん車両に乗り込むなり、タマごっちを取り出し、一生懸命育てているではありませんか。 そうか、今時のお子様達の間では、再びブーム到来なのか! それにしても、ピコンピコンとうるさいったらありゃしない。 しかし早くも大人として子供の面倒を見る事を自覚しています。
『ほとんどのスタッフは忙しくて自分の子供の面倒すらままならないというのに…』
次に主人公に絡むギャル風の女子高生グループが待機。
見た目は、目を覆う位ド派手なメイクと格好なのに、これが以外と丁寧な言葉使いと挨拶をする事に驚かされます。 人間見た目じゃないなと実感した瞬間でもありました。 またその会話内容を聞いて、その中の一人にとても親近感が湧いたのですが、あのアニメ“エ○ンゲリオン”の着ぐるみを着てショーをしていたそうなんです。 しかも内容にとても詳しく「聖書に基づいた、世界の終わりを描いたアニメだよ」って、丁寧に仲間のギャルに説明していたのです(笑)←(この内容であってるのかどうかは実は僕は知りませんが)
『世の中には次の簡単な段取りすら説明の出来ない助監督もいるというのに…』
そして午後早々。 セリフのある子役2名(7歳)が待機。
その待ち時間の合間に車内で自主的にセリフ合わせを開始。 双方の親が世間話を繰り広げるのを後目に、台本の内容をなんと二人で普通におさらいしているのです。7歳なのに、ほんと、プロフェッショナルなやつらです。
『台詞すらまともに覚えて来ないベテラン役者だっているというのに…』
さらに夜。 横浜にある遊園地でのナイターロケを敢行。 この日は風が冷たくて、外で待機させられていたエキストラの親子連れ達は、案の定寒さに打ち拉がれており、せめて子供たちだけでも車内へと思い、親の了解を得て、子供たちだけ3人を連れて行って、車の扉を開けたところ…
「どっか、連れてかない?」
一番上のお姉ちゃんらしき子が、知らない人の車に乗っちゃいけないとでも教えられていたのか、僕を誘拐犯とでも思ったのか、そう言ってきたのです!
僕は勿論 「えっ? つ、連れてかないよ! 大丈夫大丈夫!ここにいるから」と切り返しました。
ある意味、ちょっとショックではありましたが、なるほど子供って実はちゃんとしているんだなぁと思える一瞬でもありました。
『「ついでにどっかまで乗せていってよ!」と私用でロケバスに乗り込もうとする我がままなスタッフもいるというのに…』
このように、車両部は色々な人間模様を、その待機中に伺い知る事が出来ます。
少なからず、この業界に手を染めているエキストラ風味の方々は、ロケ隊のスタッフよりも、人間が出来ているように思えてなりません。
それらは勿論、この子供たちです(^_^;)
ああ悲しき比較対照…
悲しきロケ隊。
つまりこの日の仕事は、現場から現場へは監督やメインスタッフを乗せて移動し、その待機中には、出番のないエキストラの方々の控え場所としてこの車両を提供するというもの。
そんな中、この日は色々な人間模様を観察する事が出来ました。
まず午前中。 公園で遊ぶ子供達(A)(B)(C)。 平均年齢5歳が待機。
皆さん車両に乗り込むなり、タマごっちを取り出し、一生懸命育てているではありませんか。 そうか、今時のお子様達の間では、再びブーム到来なのか! それにしても、ピコンピコンとうるさいったらありゃしない。 しかし早くも大人として子供の面倒を見る事を自覚しています。
『ほとんどのスタッフは忙しくて自分の子供の面倒すらままならないというのに…』
次に主人公に絡むギャル風の女子高生グループが待機。
見た目は、目を覆う位ド派手なメイクと格好なのに、これが以外と丁寧な言葉使いと挨拶をする事に驚かされます。 人間見た目じゃないなと実感した瞬間でもありました。 またその会話内容を聞いて、その中の一人にとても親近感が湧いたのですが、あのアニメ“エ○ンゲリオン”の着ぐるみを着てショーをしていたそうなんです。 しかも内容にとても詳しく「聖書に基づいた、世界の終わりを描いたアニメだよ」って、丁寧に仲間のギャルに説明していたのです(笑)←(この内容であってるのかどうかは実は僕は知りませんが)
『世の中には次の簡単な段取りすら説明の出来ない助監督もいるというのに…』
そして午後早々。 セリフのある子役2名(7歳)が待機。
その待ち時間の合間に車内で自主的にセリフ合わせを開始。 双方の親が世間話を繰り広げるのを後目に、台本の内容をなんと二人で普通におさらいしているのです。7歳なのに、ほんと、プロフェッショナルなやつらです。
『台詞すらまともに覚えて来ないベテラン役者だっているというのに…』
さらに夜。 横浜にある遊園地でのナイターロケを敢行。 この日は風が冷たくて、外で待機させられていたエキストラの親子連れ達は、案の定寒さに打ち拉がれており、せめて子供たちだけでも車内へと思い、親の了解を得て、子供たちだけ3人を連れて行って、車の扉を開けたところ…
「どっか、連れてかない?」
一番上のお姉ちゃんらしき子が、知らない人の車に乗っちゃいけないとでも教えられていたのか、僕を誘拐犯とでも思ったのか、そう言ってきたのです!
僕は勿論 「えっ? つ、連れてかないよ! 大丈夫大丈夫!ここにいるから」と切り返しました。
ある意味、ちょっとショックではありましたが、なるほど子供って実はちゃんとしているんだなぁと思える一瞬でもありました。
『「ついでにどっかまで乗せていってよ!」と私用でロケバスに乗り込もうとする我がままなスタッフもいるというのに…』
このように、車両部は色々な人間模様を、その待機中に伺い知る事が出来ます。
少なからず、この業界に手を染めているエキストラ風味の方々は、ロケ隊のスタッフよりも、人間が出来ているように思えてなりません。
それらは勿論、この子供たちです(^_^;)
ああ悲しき比較対照…
悲しきロケ隊。
2006年03月26日
土曜の表参道に死角なし
表参道といえば、都内でも指折りの繁華街です。 平日の昼間でも、その人通りや交通量はそれなりなのに、土日ともなると、それはもう、溢れんばかりの賑わいとなる訳なんです。
そんな場所で、この日は丸一日のロケ。 ただでさえ色々うるさいのに、果敢にも大ロケーションを敢行したのです。
まぁ、そんな場所ですから、当然ロケ車両を止めるのは困難です。 しかもこの日は通常の3倍のカメラと人数と車両台数を用意。 この状態に、現場では巨大なカメラクレーンとエキストラを配置し、さらには一般の通行人まで捌かなければならない訳ですから、制作部だけではやはり事態を収拾出来ず、警備員まで雇って、一部の一般道を通行止めにするという念の入れよう。
と、ここまでは、今まででもよくある(笑)ロケ隊の日常的な風景でした。
車両台数が通常の3倍。
というのは少々大袈裟ですが、つまりこの日は、3台のカメラで同時収録の為、1台のカメラに付き1台ずつの機材車が追加。 さらに特機チームのトラック等も加わり、現場となった表参道には、約100mにも及ぶロケ車両の列が出来上がっていたのです。
しかしこれらの車両、早朝からの配車の為、渋滞で溢れかえるこの表参道でも、辛うじて駐車スペースを確保。
パーキングメーター親父と闘いつつも、やっとこさ夕方まで漕ぎ着けたのです。
そして、第二現場へ移動。
本来なら、こんな渋滞でごった返す場所から離れられてホッと胸を撫で下ろす所なのですが、なんと次のロケ現場が、700m程前進した、原宿駅寄りのまたまた表参道ときたから目も当てられない。
約100mにも及ぶロケ関係車両を、一体どうやって再びこの表参道沿いに止めるというのでしょうか。
というよりも、現駐車場所からの離脱も、渋滞の為にままならないのに。
そして決死の移動開始!
…
ロケ隊というのは偉いもので、気が付けばちゃんと現場の近くに強引に車両を収めている。 全て綺麗に並べてある訳ではないですが、やっぱり数十mもの列を形成しているのです。
これは、恐らく長年の経験による習慣みたいなもので、およそ本能にも似た動物的な勘により、先に駐車している沢山の車の中から、次にその場を離れるであろう車の横へ見事に並列した結果、このような状況に持ち込む事が出来たのです。
これをことわざで例えるならば、
「芸は身を助く」
「習慣は第二の天性なり」
「人を射んとせば先ず馬を射よ」
そして…
「土曜の表参道に死角なし」
でしょう。
そんな場所で、この日は丸一日のロケ。 ただでさえ色々うるさいのに、果敢にも大ロケーションを敢行したのです。
まぁ、そんな場所ですから、当然ロケ車両を止めるのは困難です。 しかもこの日は通常の3倍のカメラと人数と車両台数を用意。 この状態に、現場では巨大なカメラクレーンとエキストラを配置し、さらには一般の通行人まで捌かなければならない訳ですから、制作部だけではやはり事態を収拾出来ず、警備員まで雇って、一部の一般道を通行止めにするという念の入れよう。
と、ここまでは、今まででもよくある(笑)ロケ隊の日常的な風景でした。
車両台数が通常の3倍。
というのは少々大袈裟ですが、つまりこの日は、3台のカメラで同時収録の為、1台のカメラに付き1台ずつの機材車が追加。 さらに特機チームのトラック等も加わり、現場となった表参道には、約100mにも及ぶロケ車両の列が出来上がっていたのです。
しかしこれらの車両、早朝からの配車の為、渋滞で溢れかえるこの表参道でも、辛うじて駐車スペースを確保。
パーキングメーター親父と闘いつつも、やっとこさ夕方まで漕ぎ着けたのです。
そして、第二現場へ移動。
本来なら、こんな渋滞でごった返す場所から離れられてホッと胸を撫で下ろす所なのですが、なんと次のロケ現場が、700m程前進した、原宿駅寄りのまたまた表参道ときたから目も当てられない。
約100mにも及ぶロケ関係車両を、一体どうやって再びこの表参道沿いに止めるというのでしょうか。
というよりも、現駐車場所からの離脱も、渋滞の為にままならないのに。
そして決死の移動開始!
…
ロケ隊というのは偉いもので、気が付けばちゃんと現場の近くに強引に車両を収めている。 全て綺麗に並べてある訳ではないですが、やっぱり数十mもの列を形成しているのです。
これは、恐らく長年の経験による習慣みたいなもので、およそ本能にも似た動物的な勘により、先に駐車している沢山の車の中から、次にその場を離れるであろう車の横へ見事に並列した結果、このような状況に持ち込む事が出来たのです。
これをことわざで例えるならば、
「芸は身を助く」
「習慣は第二の天性なり」
「人を射んとせば先ず馬を射よ」
そして…
「土曜の表参道に死角なし」
でしょう。
2006年03月25日
出る杭が打たれた時代
色々なパートが、総力を結集して一つの作品を作り上げるという、この映像業界において、この際、年功序列等という言葉は存在しないと言えます。
つまりそれぞれの部署が独立した存在であり、各パートでの経験、または重ねた努力によって各々の技師や担当、そしてプロデューサーや監督へと上り積めて行く訳ですから、この時点で既に、明らかに各パートの年齢差が生じるのは当たり前の事です。
ですから時には指示を出すパートの人間が、指示を出される側の人間の年齢を大きく下回るという状態を生むのですね。
これは、パートが違う訳ですから、当然有り得る事ですし、気にする必要もないのですが、中にはそれを快く思わない昔ながらの職人先輩が数多く在籍しているのも映像業界では、また事実なのです。
「俺は、お前がまだ赤ん坊の時から、この業界にいるんだ! こぉの、ヒヨッコがぁ!!」
極端な例で言えば、まだ僕が出版社でビデオ制作に明け暮れていた頃、まだ撮影助手件ADとして、年齢的にも一回り違うカメラマンやメイクやスタイリストと一緒に仕事をしていた時には、やはりその扱いは子供同然で、そんな状況を経験した数年後には、今度は自分がディレクターとなって、その同じスタッフたちに、指示を出すようになる訳ですから、やはり精神的にやりづらいのは当然の事と言えますよね。
いや、むしろ以前より、反発される事が多い場合も無きにしも非ずだったのですよ。
そしてそんな状態が、今回の照明部内でも見て取れました。
それは各パート同士のいざこざではなく、内部事情が生み出した微妙なものでした。
照明部とは、現場では皆技師の指示で動く訳ですが、今回の場合は、その下についたチーフが、この技師の年齢も経験も上回る、自らも別の現場では技師をしている先輩だったのです。
その関係は日増しにギクシャクして行きます。 若い技師の出す指示に、チーフは陰では文句をいい、勝手気ままに振る舞います。 若い技師はそれらを察知し、車内でもトゲのある返事をせざるを得ません。
恐らく先輩は、若い技師を傷付けているつもりは無いんだと思います。 しかし若い技師は、その辺はかなり敏感になっていたに違いありません。
このように映像業界では、時としてその立場が逆転する事が有り得るのです。
“出る杭は打たれる”
ある意味、典型的な日本人の古い体質の抜けない業界ですが、年々そのシステムも良くなりつつあります。
そして今後、若手も意識を変える必要があると言えます。
“打った金槌の頭をへし折る”から、
“打った金槌の傷を態度で癒す”時代へ。
まさに今、その転換期を迎えようとしています。
つまりそれぞれの部署が独立した存在であり、各パートでの経験、または重ねた努力によって各々の技師や担当、そしてプロデューサーや監督へと上り積めて行く訳ですから、この時点で既に、明らかに各パートの年齢差が生じるのは当たり前の事です。
ですから時には指示を出すパートの人間が、指示を出される側の人間の年齢を大きく下回るという状態を生むのですね。
これは、パートが違う訳ですから、当然有り得る事ですし、気にする必要もないのですが、中にはそれを快く思わない昔ながらの職人先輩が数多く在籍しているのも映像業界では、また事実なのです。
「俺は、お前がまだ赤ん坊の時から、この業界にいるんだ! こぉの、ヒヨッコがぁ!!」
極端な例で言えば、まだ僕が出版社でビデオ制作に明け暮れていた頃、まだ撮影助手件ADとして、年齢的にも一回り違うカメラマンやメイクやスタイリストと一緒に仕事をしていた時には、やはりその扱いは子供同然で、そんな状況を経験した数年後には、今度は自分がディレクターとなって、その同じスタッフたちに、指示を出すようになる訳ですから、やはり精神的にやりづらいのは当然の事と言えますよね。
いや、むしろ以前より、反発される事が多い場合も無きにしも非ずだったのですよ。
そしてそんな状態が、今回の照明部内でも見て取れました。
それは各パート同士のいざこざではなく、内部事情が生み出した微妙なものでした。
照明部とは、現場では皆技師の指示で動く訳ですが、今回の場合は、その下についたチーフが、この技師の年齢も経験も上回る、自らも別の現場では技師をしている先輩だったのです。
その関係は日増しにギクシャクして行きます。 若い技師の出す指示に、チーフは陰では文句をいい、勝手気ままに振る舞います。 若い技師はそれらを察知し、車内でもトゲのある返事をせざるを得ません。
恐らく先輩は、若い技師を傷付けているつもりは無いんだと思います。 しかし若い技師は、その辺はかなり敏感になっていたに違いありません。
このように映像業界では、時としてその立場が逆転する事が有り得るのです。
“出る杭は打たれる”
ある意味、典型的な日本人の古い体質の抜けない業界ですが、年々そのシステムも良くなりつつあります。
そして今後、若手も意識を変える必要があると言えます。
“打った金槌の頭をへし折る”から、
“打った金槌の傷を態度で癒す”時代へ。
まさに今、その転換期を迎えようとしています。
2006年03月23日
ロケバスドライバーの見たスタッフたち 其の4 美術部の巻
美術部には、一口で言っても言い表せない位に沢山のパートがあります。
これは実は僕もちゃんと把握してはいないのですが、例えば、大道具、小道具、装飾、持ち道具、建具、生花、装置、特効等と呼ばれる色々な部門を総括して美術と呼んでいるのですね。
ですから美術部門は、それがスタジオであろうとロケであろうと、画面に映るもの全てのものを管轄していると言っても過言ではないのです。
その中でも、我々車両部と深い繋がりがあるのは、持ち道具と呼ばれる部門と装飾と呼ばれる部門です。 我々車両部は、通常ロケにおいて、この部門の方々と一緒に行動を共にする事になるのです。
まずは装飾。 ロケやセットにおける、いわば飾り付けをする人達ですね。
今の2時間ドラマのロケ地の主流は、ロケセットと呼ばれる実際の家や会社等の建物がほとんどですから、こういった撮影の度に、その台本に則した内容の飾り込みを各々にしなければならないのです。
つまり、それが例えば主人公の部屋であれば、その職業に見合った生活レベルの家具や持ち物で装飾しなければならないし、犯人の家なら、少し危ない感じの装飾、お金持ちの家の設定なら、高級そうな家具や絵等を飾る訳です。その他にもそれが会社や国民の公僕たる人々のオフィスであれば、事務所風の机や椅子、ロッカーやラック、それらの上や中に入る書類やファイル、電話やファックス、パソコン、お茶セット、ポスターや教訓等々…
それこそ、引っ越しのような大騒ぎとなるのです。
そしてそれらの家具や装飾物を運ぶのが、いわゆる“別トラ”と呼ばれるトラックです。 別トラは本隊とは全く別の動きをします。 ようはロケ隊の来る前に飾り込みをし、ロケ隊がいなくなった後に、それらのバラシをしなければならないのです。 ですからその動きは見た目以上にハードです。 何しろそれは、ロケ隊が来る前の早朝であり、帰った後の深夜であり、時にはその日のロケとは別に、翌日の飾りもやり前日のバラシもやりと、一日にそれらを何度となく繰り返す訳ですからね。 さらに美術スタッフはその間にも、色々な作り物(ビルの看板等)や準備(借用品引き取り)をしなければなりませんから、移動中以外は寝る暇もないというのが実情です。
そして持ち道具。 この部門は、それ以外の現場美術の全てを担当します。
それは出演俳優の身に付ける品である靴に始まり、腕時計やメガネ、手帳、文具類、帽子、傘、凶器、携帯、その他のアクセサリー、そして数多くいるエキストラの職業ごとの持ち回り品、警官、鑑識、救急隊員の装具一式、またパトカーや救急車に使われる劇用のナンバーやカッティング、更にオープンロケなら、見切れてはいけない看板や住所標記の隠しであるポスターや貼り紙類、飲食店でのロケなら、様々な食器や灰皿、消え物と呼ばれる劇用の食事の料理製作まで、その仕事量たるや、その準備段階を含めれば、この業界でも1、2を争うのではないかと思える位のものです。
そして驚く事に、この部門のほとんどが女性スタッフであったりするのです。 その辺はやはり大雑把な男性よりは… という事なのかも知れませんが。
そしてこれらを運ぶのが、通称“月定”と呼ばれる美術トラック、“美トラ”です。
美トラは、この持ち道具の手となり足となり、常に動かねばならないのです。 それは通常撮影部や照明部等のパートがアシスタントを含めて4、5人体制なのに対し、持ち道具には、アシスタントはおろか、現場だけの頼りないサード助監督が一人サポートしているだけ。 ですから当然これらをフォローするのも、自ずとドライバーの仕事になる訳です。
いずれにせよ、美術部は準備、ロケ共に過酷な仕事です。 最も睡眠時間の取れない部署と言えます。 ですが、出来た作品の画面には、最もその仕事の内容が映し出されるという恵まれた部署でもあるのです。
ただ難点なのは、台本の完成遅れに、その仕事の内容が、最も顕著に左右されてしまうこと。
ですから常に、ピリピリしたムードを漂わせているのが、ちょっと気掛かりといえば気掛かりです…
負けるな美術部! 死なない程度に。
piyo度指数 −140パーセント
これは実は僕もちゃんと把握してはいないのですが、例えば、大道具、小道具、装飾、持ち道具、建具、生花、装置、特効等と呼ばれる色々な部門を総括して美術と呼んでいるのですね。
ですから美術部門は、それがスタジオであろうとロケであろうと、画面に映るもの全てのものを管轄していると言っても過言ではないのです。
その中でも、我々車両部と深い繋がりがあるのは、持ち道具と呼ばれる部門と装飾と呼ばれる部門です。 我々車両部は、通常ロケにおいて、この部門の方々と一緒に行動を共にする事になるのです。
まずは装飾。 ロケやセットにおける、いわば飾り付けをする人達ですね。
今の2時間ドラマのロケ地の主流は、ロケセットと呼ばれる実際の家や会社等の建物がほとんどですから、こういった撮影の度に、その台本に則した内容の飾り込みを各々にしなければならないのです。
つまり、それが例えば主人公の部屋であれば、その職業に見合った生活レベルの家具や持ち物で装飾しなければならないし、犯人の家なら、少し危ない感じの装飾、お金持ちの家の設定なら、高級そうな家具や絵等を飾る訳です。その他にもそれが会社や国民の公僕たる人々のオフィスであれば、事務所風の机や椅子、ロッカーやラック、それらの上や中に入る書類やファイル、電話やファックス、パソコン、お茶セット、ポスターや教訓等々…
それこそ、引っ越しのような大騒ぎとなるのです。
そしてそれらの家具や装飾物を運ぶのが、いわゆる“別トラ”と呼ばれるトラックです。 別トラは本隊とは全く別の動きをします。 ようはロケ隊の来る前に飾り込みをし、ロケ隊がいなくなった後に、それらのバラシをしなければならないのです。 ですからその動きは見た目以上にハードです。 何しろそれは、ロケ隊が来る前の早朝であり、帰った後の深夜であり、時にはその日のロケとは別に、翌日の飾りもやり前日のバラシもやりと、一日にそれらを何度となく繰り返す訳ですからね。 さらに美術スタッフはその間にも、色々な作り物(ビルの看板等)や準備(借用品引き取り)をしなければなりませんから、移動中以外は寝る暇もないというのが実情です。
そして持ち道具。 この部門は、それ以外の現場美術の全てを担当します。
それは出演俳優の身に付ける品である靴に始まり、腕時計やメガネ、手帳、文具類、帽子、傘、凶器、携帯、その他のアクセサリー、そして数多くいるエキストラの職業ごとの持ち回り品、警官、鑑識、救急隊員の装具一式、またパトカーや救急車に使われる劇用のナンバーやカッティング、更にオープンロケなら、見切れてはいけない看板や住所標記の隠しであるポスターや貼り紙類、飲食店でのロケなら、様々な食器や灰皿、消え物と呼ばれる劇用の食事の料理製作まで、その仕事量たるや、その準備段階を含めれば、この業界でも1、2を争うのではないかと思える位のものです。
そして驚く事に、この部門のほとんどが女性スタッフであったりするのです。 その辺はやはり大雑把な男性よりは… という事なのかも知れませんが。
そしてこれらを運ぶのが、通称“月定”と呼ばれる美術トラック、“美トラ”です。
美トラは、この持ち道具の手となり足となり、常に動かねばならないのです。 それは通常撮影部や照明部等のパートがアシスタントを含めて4、5人体制なのに対し、持ち道具には、アシスタントはおろか、現場だけの頼りないサード助監督が一人サポートしているだけ。 ですから当然これらをフォローするのも、自ずとドライバーの仕事になる訳です。
いずれにせよ、美術部は準備、ロケ共に過酷な仕事です。 最も睡眠時間の取れない部署と言えます。 ですが、出来た作品の画面には、最もその仕事の内容が映し出されるという恵まれた部署でもあるのです。
ただ難点なのは、台本の完成遅れに、その仕事の内容が、最も顕著に左右されてしまうこと。
ですから常に、ピリピリしたムードを漂わせているのが、ちょっと気掛かりといえば気掛かりです…
負けるな美術部! 死なない程度に。
piyo度指数 −140パーセント
2006年03月21日
現場スタッフ総入れ替えの謎
今月の中旬より、4月クールの連ドラの照明車を、少しの間だけ担当する事になったのですが、そのドラマを制作する舞台裏にちょっとしたミステリーが隠されていたのです。
実はこのドラマ、去年も放送されていたのですが、恐らく好評につき(またはネタ切れの為)、新たなシリーズとなって帰ってきた、いわゆる続編なんですね。
このように連ドラの世界において続編が制作されるという事は、それなりに評判が良く、且つ視聴率が確実に取れるという自信があるからで、それは時代の流れ(流行)にもマッチし、さらに余程の話題性を秘めた傑作であると推測される訳です。
そんな好評なドラマですから、当然主役を含めた配役は前回と同じ。 そして制作したスタッフもまた然り…
いえ、なんとこの続編、制作会社を初め、前回とスタッフがほぼ総入れ替えに(監督、脚本を除く)なってしまっていたのです。
前回が好評だったのに何故?
ちなみに僕は、前作にも応援キャスト車で参加していた経歴があります。 もしかしたら前回、今回と両作品に参加しているのは僕だけかもしれません。 つまりその異変にいち早く気付いたのは現場では僕だけのようなんです。
前回と同じなら、誰か知り合いがいるのかも… と、少し楽しみにしていた僕は、制作部に始まり、演出部、撮影部、照明部、そしてその他諸々、メインであるスタッフのほとんどが、全くの別チームに入れ替っていたという事実に驚きを隠せませんでした。
これは作品の心機一転を図ったものなのか、それともそれ以外の秘密の内部事情なのでしょうか。
我々末端には、その真意の程は分かりません。
演じるキャストが同じなら、きっと視聴者にも違和感はない事でしょう。
ある人気シリーズは20年もの間、同じスタッフでやっていた為、老齢化し、やむなくその助手が引き継いだという事実もあります。
わざと1クールの毎話で、監督スタッフを全て替えた話題作もあります。(この場合は、連ドラというより1話完結の12編みたいなものでしたが)
映画等の世界では、監督が替わればスタッフも入れ替わるのも有り得ない話でもありません。
ですが今回の続編による、スタッフの総入れ替えには、少し疑問が残ります。 それはメインであるレギュラー物件のチェンジや勿論カメラワーク等の映像的部分にも影響されるからです。
もしかしたら前作が余程の予算オーバーをしたのかもしれません。
つまり今回は、予算内に収まる程度のロケセット、そしてスタッフが集結したとも言えるのでしょうか… 謎が深まるばかりです。
その程度のスタッフ…
これは勿論自分を含む訳なんですけどね(^。^;)
実はこのドラマ、去年も放送されていたのですが、恐らく好評につき(またはネタ切れの為)、新たなシリーズとなって帰ってきた、いわゆる続編なんですね。
このように連ドラの世界において続編が制作されるという事は、それなりに評判が良く、且つ視聴率が確実に取れるという自信があるからで、それは時代の流れ(流行)にもマッチし、さらに余程の話題性を秘めた傑作であると推測される訳です。
そんな好評なドラマですから、当然主役を含めた配役は前回と同じ。 そして制作したスタッフもまた然り…
いえ、なんとこの続編、制作会社を初め、前回とスタッフがほぼ総入れ替えに(監督、脚本を除く)なってしまっていたのです。
前回が好評だったのに何故?
ちなみに僕は、前作にも応援キャスト車で参加していた経歴があります。 もしかしたら前回、今回と両作品に参加しているのは僕だけかもしれません。 つまりその異変にいち早く気付いたのは現場では僕だけのようなんです。
前回と同じなら、誰か知り合いがいるのかも… と、少し楽しみにしていた僕は、制作部に始まり、演出部、撮影部、照明部、そしてその他諸々、メインであるスタッフのほとんどが、全くの別チームに入れ替っていたという事実に驚きを隠せませんでした。
これは作品の心機一転を図ったものなのか、それともそれ以外の秘密の内部事情なのでしょうか。
我々末端には、その真意の程は分かりません。
演じるキャストが同じなら、きっと視聴者にも違和感はない事でしょう。
ある人気シリーズは20年もの間、同じスタッフでやっていた為、老齢化し、やむなくその助手が引き継いだという事実もあります。
わざと1クールの毎話で、監督スタッフを全て替えた話題作もあります。(この場合は、連ドラというより1話完結の12編みたいなものでしたが)
映画等の世界では、監督が替わればスタッフも入れ替わるのも有り得ない話でもありません。
ですが今回の続編による、スタッフの総入れ替えには、少し疑問が残ります。 それはメインであるレギュラー物件のチェンジや勿論カメラワーク等の映像的部分にも影響されるからです。
もしかしたら前作が余程の予算オーバーをしたのかもしれません。
つまり今回は、予算内に収まる程度のロケセット、そしてスタッフが集結したとも言えるのでしょうか… 謎が深まるばかりです。
その程度のスタッフ…
これは勿論自分を含む訳なんですけどね(^。^;)
2006年03月20日
憤慨リポート系リポート
先日、プライベートで中央道のとあるサービスエリア内の駐車場に行った時の事。
同敷地内に設置されている公共のゴミ箱の前に、不自然に停車している一台のENG車(いわゆる取材用の)がいました。
僕等のような職業ですと、まずそれがロケ車であると、直ぐ見極めが出来てしまう訳ですが(笑)、それはペンキ屋や配管工事用の薄汚れた(失礼)バン等ではなく、いつでもちょっとしたタレントが乗れそうな小綺麗な大型ワゴン車であり、全身が怪しさ全快のフルスモーク張り、屋根の上には三脚を立てられる程度の小さなキャリア、そして携帯電話用のアンテナを立て、いかにも撮影クルーが乗っていますよ的な雰囲気を醸し出しているのですね。
ではそんなENG車が、こんな所で一体何をしているのでしょうか。 もう少し細かく観察してみます。
まずその車の向き。 正面は設置されているゴミ箱に向いています。 つまり運転席から、ゴミ箱がしっかり見えるポジションです。 しかし薄暮であるのと全身がフルスモークの為、外からでは中の様子は伺い知る事が出来ません。 そのような状態ですから、勿論一般の方々も当然不審には思わないですし、あえて中を覗くような真似もする事はない訳です。
…と、彼等スタッフも、油断しています。
ところが僕は見逃しません。 横から走ってくる他車のライトが、そのENG車の内部をシルエットで浮かび上がらせたのです。
シルエット… その姿は後部座席に身を潜めるようにしてカメラを構えるカメラマンに間違いありませんでした。
つまり車の中から、他の人には気付かれないように、ゴミ箱の何かを撮影しようとしているのです。
ではなぜ隠れる必要があるのでしょうか。
次に僕は、ゴミ箱まわりを観察しました。 するとそこにはやはり不自然に立ち尽くす一人の男の姿がありました。 そしてその男の手の中には、いわゆる掌サイズの小さなカメラが握られていたのです。
ここで今までの状況をまとめると、車の向き、カメラの向きから、撮影されているのは、このサービスエリア内の公共のゴミ箱であることが分かります。 次に、隠れているカメラの他に、ゴミ箱付近に小さなカメラを持った男の姿。
以上の事から推測するに、恐らく高速道路上のゴミ箱内に、不当に家庭ゴミ等を投棄するドライバーへの、強制インタビューを敢行するチームではないかと…
これは夕方のニュース等でよく見る、憤慨リポート系の、システムによく似ていますね。
このように、取材(ENG)という仕事は常に地道な待機を強いられます。 それは、いつ来るかも分からないような被写体に対し、またはいつ起こるやもしれない事件や報道に対し、一日中ベストの状態をキープしていなければならないという過酷なものです。 時には平和な一日に、一度もカメラを回す事なく終わる日もあります。 時には一日という枠を越えて、予定外の地方へ飛ばされることもあります。
この日のロケ隊に、良き成果があったかどうかは正直言って微妙ですが、彼等はそれが放送される尺に達するまで、毎晩のようにこれを繰り返す事になるのでしょう。
以上、憤慨リポート系リポートをpiyotaがお送りしました。
see you!!
同敷地内に設置されている公共のゴミ箱の前に、不自然に停車している一台のENG車(いわゆる取材用の)がいました。
僕等のような職業ですと、まずそれがロケ車であると、直ぐ見極めが出来てしまう訳ですが(笑)、それはペンキ屋や配管工事用の薄汚れた(失礼)バン等ではなく、いつでもちょっとしたタレントが乗れそうな小綺麗な大型ワゴン車であり、全身が怪しさ全快のフルスモーク張り、屋根の上には三脚を立てられる程度の小さなキャリア、そして携帯電話用のアンテナを立て、いかにも撮影クルーが乗っていますよ的な雰囲気を醸し出しているのですね。
ではそんなENG車が、こんな所で一体何をしているのでしょうか。 もう少し細かく観察してみます。
まずその車の向き。 正面は設置されているゴミ箱に向いています。 つまり運転席から、ゴミ箱がしっかり見えるポジションです。 しかし薄暮であるのと全身がフルスモークの為、外からでは中の様子は伺い知る事が出来ません。 そのような状態ですから、勿論一般の方々も当然不審には思わないですし、あえて中を覗くような真似もする事はない訳です。
…と、彼等スタッフも、油断しています。
ところが僕は見逃しません。 横から走ってくる他車のライトが、そのENG車の内部をシルエットで浮かび上がらせたのです。
シルエット… その姿は後部座席に身を潜めるようにしてカメラを構えるカメラマンに間違いありませんでした。
つまり車の中から、他の人には気付かれないように、ゴミ箱の何かを撮影しようとしているのです。
ではなぜ隠れる必要があるのでしょうか。
次に僕は、ゴミ箱まわりを観察しました。 するとそこにはやはり不自然に立ち尽くす一人の男の姿がありました。 そしてその男の手の中には、いわゆる掌サイズの小さなカメラが握られていたのです。
ここで今までの状況をまとめると、車の向き、カメラの向きから、撮影されているのは、このサービスエリア内の公共のゴミ箱であることが分かります。 次に、隠れているカメラの他に、ゴミ箱付近に小さなカメラを持った男の姿。
以上の事から推測するに、恐らく高速道路上のゴミ箱内に、不当に家庭ゴミ等を投棄するドライバーへの、強制インタビューを敢行するチームではないかと…
これは夕方のニュース等でよく見る、憤慨リポート系の、システムによく似ていますね。
このように、取材(ENG)という仕事は常に地道な待機を強いられます。 それは、いつ来るかも分からないような被写体に対し、またはいつ起こるやもしれない事件や報道に対し、一日中ベストの状態をキープしていなければならないという過酷なものです。 時には平和な一日に、一度もカメラを回す事なく終わる日もあります。 時には一日という枠を越えて、予定外の地方へ飛ばされることもあります。
この日のロケ隊に、良き成果があったかどうかは正直言って微妙ですが、彼等はそれが放送される尺に達するまで、毎晩のようにこれを繰り返す事になるのでしょう。
以上、憤慨リポート系リポートをpiyotaがお送りしました。
see you!!
2006年03月19日
車両部緊急座談会 Part1
以前、連ドラのロケで、台本が間に合わず、急遽OAが緊急座談会になってしまった事があるのですが(笑)、そういう意味合いとは全く関係もなく、今回我が社の古株3人が、偶然にもここ吉祥寺にて集合し、緊急座談会を開催する運びとなりました(笑)
このように車両部が平日の夜に、このような席を設けられる事は結構まれで、それはやはりついているドラマがバラバラで、時間や休み等が当然合わないのと、通勤には皆自家用車を多用している為、最集合には時間や場所を考えねばならないということ。 それに例え休みが合ったとしても、プライベートまで仕事仲間と一緒… なんて事は、やはり正直なところ避けたいと思うからなんです(笑)
そんな訳で、車両部3人と元制作部1人が偶然?この場に集まり、とりあえず最近の仕事とその近況を報告し合い、その後話は、過去のロケネタへと展開していきました。
そしてこの日一番盛り上がったのは、俳優部の話。 それはこの度僕がついていたドラマの主役が、そのオールアップの日に、路上待機していたただのドライバーである僕に対して、その去り際にわざわざ自家用車の窓を開けて、力一杯「お疲れ様ー!!」と、言ってくれた、という話題から始まりました。
このように俳優(役者)は、スタッフ等を皆自分と同等に見てくれている人と、それとは逆に、自分を完全な雲の上の存在としている人達に分かれているらしいんですね。
それは年令や経験年数ではなく、俳優として育った環境、そして下積みの有無に関係しているのではないかと、我々ドライバーはこの席で考え始めたのです。
つまり大ベテランなのに、いつまでも腰が低く、誰に対しても丁寧に対応してくれている俳優の方々の多くは、劇団出身や長い下積みがあった方々であり(あくまでも想像ですが)、自分も作り手の一員であるという考えを未だ持ちあわせている人達ではないかと思うのです。
逆にそうではない俳優の方々は、勿論そういった時代も持ちあわせていながら、長年の周囲のまずい対応のせいで我がままが通ってしまい、、いつしか自分が中心となった現場でなければ、常に自分を保てない状況になってしまったのではないかと思われるのです。
そしていわゆる若手俳優にも、これらは顕著に現れ、同じく子役等の下積みや、オーディション等を数多く受けていた若者の場合、目上の人や諸先輩方に対する挨拶は勿論のこと、現場での行動には、いい意味での謙虚さを持ちあわせ、自分のいるべきポジションを常に心得ています。 逆にそうではない、いわゆるいきなりの主役大抜擢派のような方々の多くは、この時点で既に自分を見失い、対スタッフや同じ俳優との間にも壁を作ってしまいがちになるのです。
勿論、これらの見解はあくまでも、我々ドライバーの想像であり、事実と相違する点もあるに違いありません。
ただ一つ言えるのは、他のどのパートよりも格下に見られがちな我々車両部が、その対比を一番肌で感じられるということです。
つまり、格下である車両部に対しても常に丁寧な対応が出来る人は、きっと人間が出来ているすばらしい人と言えるのではないかなぁと…
…酒の席で密かに論議した次第です。
その後も色々話題はあったのですが、また日を改めてPart 2 を掲載したいと思います。
では、今日はこの辺で。
このように車両部が平日の夜に、このような席を設けられる事は結構まれで、それはやはりついているドラマがバラバラで、時間や休み等が当然合わないのと、通勤には皆自家用車を多用している為、最集合には時間や場所を考えねばならないということ。 それに例え休みが合ったとしても、プライベートまで仕事仲間と一緒… なんて事は、やはり正直なところ避けたいと思うからなんです(笑)
そんな訳で、車両部3人と元制作部1人が偶然?この場に集まり、とりあえず最近の仕事とその近況を報告し合い、その後話は、過去のロケネタへと展開していきました。
そしてこの日一番盛り上がったのは、俳優部の話。 それはこの度僕がついていたドラマの主役が、そのオールアップの日に、路上待機していたただのドライバーである僕に対して、その去り際にわざわざ自家用車の窓を開けて、力一杯「お疲れ様ー!!」と、言ってくれた、という話題から始まりました。
このように俳優(役者)は、スタッフ等を皆自分と同等に見てくれている人と、それとは逆に、自分を完全な雲の上の存在としている人達に分かれているらしいんですね。
それは年令や経験年数ではなく、俳優として育った環境、そして下積みの有無に関係しているのではないかと、我々ドライバーはこの席で考え始めたのです。
つまり大ベテランなのに、いつまでも腰が低く、誰に対しても丁寧に対応してくれている俳優の方々の多くは、劇団出身や長い下積みがあった方々であり(あくまでも想像ですが)、自分も作り手の一員であるという考えを未だ持ちあわせている人達ではないかと思うのです。
逆にそうではない俳優の方々は、勿論そういった時代も持ちあわせていながら、長年の周囲のまずい対応のせいで我がままが通ってしまい、、いつしか自分が中心となった現場でなければ、常に自分を保てない状況になってしまったのではないかと思われるのです。
そしていわゆる若手俳優にも、これらは顕著に現れ、同じく子役等の下積みや、オーディション等を数多く受けていた若者の場合、目上の人や諸先輩方に対する挨拶は勿論のこと、現場での行動には、いい意味での謙虚さを持ちあわせ、自分のいるべきポジションを常に心得ています。 逆にそうではない、いわゆるいきなりの主役大抜擢派のような方々の多くは、この時点で既に自分を見失い、対スタッフや同じ俳優との間にも壁を作ってしまいがちになるのです。
勿論、これらの見解はあくまでも、我々ドライバーの想像であり、事実と相違する点もあるに違いありません。
ただ一つ言えるのは、他のどのパートよりも格下に見られがちな我々車両部が、その対比を一番肌で感じられるということです。
つまり、格下である車両部に対しても常に丁寧な対応が出来る人は、きっと人間が出来ているすばらしい人と言えるのではないかなぁと…
…酒の席で密かに論議した次第です。
その後も色々話題はあったのですが、また日を改めてPart 2 を掲載したいと思います。
では、今日はこの辺で。
2006年03月17日
監督と助監督の関係
監督と助監督の関係には様々なものがあります。
運よく相性があえば、その後、何年もの間、同じ監督やチーフ助監督の下で経験を積む事が出来ます。
ですが、恵まれない上司であったり、相性の合わない(色々な問題で)上司に出会った場合には、その都度新しい人間関係を再構築していかなければならなくなるのですね。
しかし、それはそれで経験や仕事の幅は広がる訳ですから、一概にはどちらが良いとはここでは言い切れません。
ただ言える事は、付く監督によっては、将来を左右されるのではないかなぁ、ということです。
そこで僕が今まで経験した監督と助監督の関係を例にあげてみましょう。
まず始めに名物監督“Y”
これは言わずと知れた「殺すぞこのやろー!」監督ですが、この下に長く付いていたチーフ助監督は、既に何人も監督に昇格していまして、このほとんどが、今でもこの監督と似たようなテンションの高さを保持しています。 そしてさらにその助監督までもが、常に罵声を発し、現場を掻き回しているのです。 つまりコピーですね(笑) 皆がそろって、この監督のコピーだから目もあてられないのです。 このテンションは、これからも代々引き継がれて行くでしょう。 ただ救いなのが、現在のサード助監督が女の子だということ。 いや、もしかしてこれは違う意味でヤバイのかもしれないのですが…
また、長年全く同じチームでやり続けている演出部があります。 全く同じメンバーでやるという事は、結構珍しく、余程相性がいいのか、現場でも統率が取れており、上から下まで常に情報が行き届いているという意味では、他に類を見ない位、現場がドタバタしません。 そしてこの演出部の特徴が、いわば、代々下へ行けば行くほどしっかりしているのですね。 つまり監督がグダグタ言っているうちに、出来る助監督たちが「監督、どう撮りたいんですか! これこれこういう段取りで、こう撮りますから、これでいいじゃないですか!!」(実話)と、師匠である監督をあおる勢いなのです。 更にサードである助監督も冷静にすぐ上の上司を「もっと落ち着けばいいのに…」と判断します。 まあここのチームは、いい意味で日々無礼講だから、周りとしては、案外壁が無くていいですよね。
そしてもっとも厄介なのが、巨匠“O”
監督としてもベテランであり、その昔、チーフ助監督としても超一流の人材であった為に、出来ない助監督(スタッフを含む)が付いたりすると、それらを無視して、全て自分一人でやっていってしまうのです。 これは逆に下の者たちが大変です。 そしてこのような暴虐な態度は、準備段階から表れます。 まず台本は自分で書き直し、ロケハンに行っても、楽して探したであろうと見破られれば、車から降りてもきません。 更にチーフ助監督が自分の肌に合わないと判断した瞬間から、名前で呼ぶのは止め、口も聞かなくなります。 こうなると監督の意図や意思が現場には伝わらなくなり、後はもうグデグデの現場となっていってしまうのです。 こうなると助監督の信用性は更に失われ、出来ない助監督というレッテルを貼られてしまうようになるのです。
しかし、どのような監督に付いても、結局は自分次第。 やる気と考える能力、そして統率力が無ければ、監督業は務まりません。
これらを踏まえた上で、演出パートは更に精進して行かなければならないのです。
監督とは、我々スタッフを統率する責任者でもあるのですからね。
piyo度指数 60パーセント
運よく相性があえば、その後、何年もの間、同じ監督やチーフ助監督の下で経験を積む事が出来ます。
ですが、恵まれない上司であったり、相性の合わない(色々な問題で)上司に出会った場合には、その都度新しい人間関係を再構築していかなければならなくなるのですね。
しかし、それはそれで経験や仕事の幅は広がる訳ですから、一概にはどちらが良いとはここでは言い切れません。
ただ言える事は、付く監督によっては、将来を左右されるのではないかなぁ、ということです。
そこで僕が今まで経験した監督と助監督の関係を例にあげてみましょう。
まず始めに名物監督“Y”
これは言わずと知れた「殺すぞこのやろー!」監督ですが、この下に長く付いていたチーフ助監督は、既に何人も監督に昇格していまして、このほとんどが、今でもこの監督と似たようなテンションの高さを保持しています。 そしてさらにその助監督までもが、常に罵声を発し、現場を掻き回しているのです。 つまりコピーですね(笑) 皆がそろって、この監督のコピーだから目もあてられないのです。 このテンションは、これからも代々引き継がれて行くでしょう。 ただ救いなのが、現在のサード助監督が女の子だということ。 いや、もしかしてこれは違う意味でヤバイのかもしれないのですが…
また、長年全く同じチームでやり続けている演出部があります。 全く同じメンバーでやるという事は、結構珍しく、余程相性がいいのか、現場でも統率が取れており、上から下まで常に情報が行き届いているという意味では、他に類を見ない位、現場がドタバタしません。 そしてこの演出部の特徴が、いわば、代々下へ行けば行くほどしっかりしているのですね。 つまり監督がグダグタ言っているうちに、出来る助監督たちが「監督、どう撮りたいんですか! これこれこういう段取りで、こう撮りますから、これでいいじゃないですか!!」(実話)と、師匠である監督をあおる勢いなのです。 更にサードである助監督も冷静にすぐ上の上司を「もっと落ち着けばいいのに…」と判断します。 まあここのチームは、いい意味で日々無礼講だから、周りとしては、案外壁が無くていいですよね。
そしてもっとも厄介なのが、巨匠“O”
監督としてもベテランであり、その昔、チーフ助監督としても超一流の人材であった為に、出来ない助監督(スタッフを含む)が付いたりすると、それらを無視して、全て自分一人でやっていってしまうのです。 これは逆に下の者たちが大変です。 そしてこのような暴虐な態度は、準備段階から表れます。 まず台本は自分で書き直し、ロケハンに行っても、楽して探したであろうと見破られれば、車から降りてもきません。 更にチーフ助監督が自分の肌に合わないと判断した瞬間から、名前で呼ぶのは止め、口も聞かなくなります。 こうなると監督の意図や意思が現場には伝わらなくなり、後はもうグデグデの現場となっていってしまうのです。 こうなると助監督の信用性は更に失われ、出来ない助監督というレッテルを貼られてしまうようになるのです。
しかし、どのような監督に付いても、結局は自分次第。 やる気と考える能力、そして統率力が無ければ、監督業は務まりません。
これらを踏まえた上で、演出パートは更に精進して行かなければならないのです。
監督とは、我々スタッフを統率する責任者でもあるのですからね。
piyo度指数 60パーセント
2006年03月15日
バッティング・マシーンズ
連続5日間の同場所路上駐車待機に朗報です。
スケジュールが順調に進行し、なんと4日目にして、全て撮り終われる運びとなりました。
思えばこの期間中、初日を除いては、結局撮影隊の車両がオール違法駐車。 つまり全ての車両が、ドライバー付きの我が美トラの周りに固められ、僕はその間中、それらの車たちを、対警察、対住民対策の為、ずっと監視していなければならなかったのです。
その車は、無情にも増える一方で、2日目にはカメラマンについでVE、そして最終日には、なんと撮影助手までが、自家用車両を乗り着けて、僕に監視を任せる始末。 その自家用車両台数、撮影部だけで4台、合わせて7台にもなりました。
それにその他の撮影関係車両を合わせると…
ロケバス2台、美トラ2台、照明車2台、制作車2台、役者の高級車が6台…
あれ? なんか多いぞ。
おかしい、こんな大部隊だったっけ? うちの組。
いえ違います。 いつの間にか、別のロケ隊に周りを包囲されているではありませんか?
ここは我々の使っているロケセットの他、近くには大きな公園や別のロケセットもあり、恐らくこの組は、そちらの方でのロケを敢行しているものと思われるのです。
それにしてもこちらは、バス停や交差点付近を避けての路駐。 にも関わらず、後から来たこの組のロケ車両たちは、この我々のロケ車両群の合間に、強引にそのロケ車両をネジ込んできたのです。
これははっきり言って大誤算です。 この3日間、穏便に穏便に、ことを荒だてないように密かに(バレバレですが)路駐していたのに、なんと後から来たこのロケ隊が、交差点、横断歩道上からバス停に至るまで、がっつり埋め尽してしまったのです。
これでは通報される恐れがあります。 ただでさえ連続4日間も同じ状況を繰り返していたのに、さらに倍のロケ車両が来て、さらに悪質な路駐を展開しているのですから。
いくらお互い様とはいえ、これでは全滅、過去3日間が全て水の泡になり兼ねません。
これはもう我慢比べとしか言いようがない状況となりました。
このように、ロケ車両は、朝の集合場所に始まり、都内の至るところで、バッティングしますが、こと路駐に関して言えば、譲り合いの精神がまるでありません(笑)
つまり車両部は、それだけ真面目なのです。 現場の一番近く、または一番便利な場所に、自車を止めなければ、それこそ仕事にならない訳ですからね。
いずれにせよ、後数時間の我慢です。
穏便に、穏便に… 気づかれないように、路線バス会社へ電話をしよう。
スケジュールが順調に進行し、なんと4日目にして、全て撮り終われる運びとなりました。
思えばこの期間中、初日を除いては、結局撮影隊の車両がオール違法駐車。 つまり全ての車両が、ドライバー付きの我が美トラの周りに固められ、僕はその間中、それらの車たちを、対警察、対住民対策の為、ずっと監視していなければならなかったのです。
その車は、無情にも増える一方で、2日目にはカメラマンについでVE、そして最終日には、なんと撮影助手までが、自家用車両を乗り着けて、僕に監視を任せる始末。 その自家用車両台数、撮影部だけで4台、合わせて7台にもなりました。
それにその他の撮影関係車両を合わせると…
ロケバス2台、美トラ2台、照明車2台、制作車2台、役者の高級車が6台…
あれ? なんか多いぞ。
おかしい、こんな大部隊だったっけ? うちの組。
いえ違います。 いつの間にか、別のロケ隊に周りを包囲されているではありませんか?
ここは我々の使っているロケセットの他、近くには大きな公園や別のロケセットもあり、恐らくこの組は、そちらの方でのロケを敢行しているものと思われるのです。
それにしてもこちらは、バス停や交差点付近を避けての路駐。 にも関わらず、後から来たこの組のロケ車両たちは、この我々のロケ車両群の合間に、強引にそのロケ車両をネジ込んできたのです。
これははっきり言って大誤算です。 この3日間、穏便に穏便に、ことを荒だてないように密かに(バレバレですが)路駐していたのに、なんと後から来たこのロケ隊が、交差点、横断歩道上からバス停に至るまで、がっつり埋め尽してしまったのです。
これでは通報される恐れがあります。 ただでさえ連続4日間も同じ状況を繰り返していたのに、さらに倍のロケ車両が来て、さらに悪質な路駐を展開しているのですから。
いくらお互い様とはいえ、これでは全滅、過去3日間が全て水の泡になり兼ねません。
これはもう我慢比べとしか言いようがない状況となりました。
このように、ロケ車両は、朝の集合場所に始まり、都内の至るところで、バッティングしますが、こと路駐に関して言えば、譲り合いの精神がまるでありません(笑)
つまり車両部は、それだけ真面目なのです。 現場の一番近く、または一番便利な場所に、自車を止めなければ、それこそ仕事にならない訳ですからね。
いずれにせよ、後数時間の我慢です。
穏便に、穏便に… 気づかれないように、路線バス会社へ電話をしよう。
2006年03月14日
一世一代のおつかい
この日のスケジュールには、劇用車両として、白パト1、黒パト(覆面パトカー)1、主役車1、と書かれていたのですが、どういう訳か、現場にはその黒パトが2台も来ていました。(記載ミスか気まぐれでしょうが)
つまり都合4台分の装飾を施さなければならなくなったのですね。
しかしここで思わぬトラブルが生じました。 なんと黒パト用のパトランプ(通称おにぎり)二つのうちの一つが、球切れで点灯しなくなっていたのです。
パトランプ(回転灯)といえば、白パトならV形もしくは跳ね上げ式。 覆面黒パトなら当然この“おにぎり”が必要不可欠となります。
それはやはり、事件現場での臨場感と緊迫感をアップさせる為の小道具である他、それらがある事によって、より事件性を深められるという、手堅い手法だからなんですね。
白パトのパトランプの場合は、劇用車を発注した時点で、普通その白パトとセットとなって付いてきますが、おにぎりの場合、大抵は美術部(持ち道具)の用意になります。
そしてこの日も、“おにぎり”は美術部の担当でした。
持ち道具の子は、青ざめていました。 予期せぬアクシデントに、右往左往です。 ただでさえ、前のシーンの現場や役者の対応に追われているのに、次シーンの劇用車までははっきり言って手が回りません。
ですが今回に関して言えば、劇用車まわりの装飾は、僕がほとんど対応していましたから、普通ならこの日のような装飾も、僕と劇用車のドライバーたちで、何の問題もなかったのです。
しかし、球切れとなるとそうもいきません。
これは、ドライバーである僕としては、やはり美術部の対応を待つしかない…
…とも、言ってられない状態になってきました。 刻一刻と劇用車たちの出番が迫ります。 とりあえずパトランプを解体して球は取り出しましたが、肝心の持ち道具の子は、現場を抜け出せません。
この時点では、球を変えれば直るという確証は得ていたのですが、その球をどこで入手すべきか少し悩みました。
12ボルト 23ワット
このような電球は、恐らく町の電器屋にはないでしょう。 後は、カー用品店とかホームセンターでしょうか。 ですがここ下町に立地している可能性は薄い。
後は… ガソリンスタンドしかない。
そうなんです、身近にあって、車用品を扱っている店、困った時のサービスステーション、ガソリンスタンドです。
僕は地図を開き、一番近くのガソリンスタンドを探しました。 そして500m程離れた裏道にポツンと一ヶ所だけ見つけ、とりあえず美トラを置いて走ったのです。
その間にも現場は続きます。 はっきり言ってパトランプが一台分点灯しなくても、撮影する事は可能ですし、なんの支障もないかもしれません。 いえ支障がないと言えば言い過ぎですが、とにかく、撮影は出来るのです。
僕は、小さなガソリンスタンドへ辿り着くと、まず店員に声を掛けました。
「あの、パト…」
ん? 待てよ。 ここでパトランプ用の球を下さいと言っていいものか? こちらも汗っていたので、切れた球すらも持参して来なかったし、とりあえず柳沢慎吾さんが刑事もののコントでよくやってるのを真似して手の平を回し、「これ用の…」と言ってみました。
「あーそれね」
通じた… これなら黄色や青色かもしれないからごまかせる。(赤色は通常一般は使用不可ですからね)
というわけで、300円払って、再び現場まで走って戻ると、早速パトランプに組み込みました。
間に合ったぁ!

そりゃ、持ち道具の子も喜んでくれましたよ。 まさか直せたなんてと。 そしてその記憶は、忙しさのあまり既に遠い過去となりまして…
300円の領収書を未だに持たされている僕なのでした。
つまり都合4台分の装飾を施さなければならなくなったのですね。
しかしここで思わぬトラブルが生じました。 なんと黒パト用のパトランプ(通称おにぎり)二つのうちの一つが、球切れで点灯しなくなっていたのです。
パトランプ(回転灯)といえば、白パトならV形もしくは跳ね上げ式。 覆面黒パトなら当然この“おにぎり”が必要不可欠となります。
それはやはり、事件現場での臨場感と緊迫感をアップさせる為の小道具である他、それらがある事によって、より事件性を深められるという、手堅い手法だからなんですね。
白パトのパトランプの場合は、劇用車を発注した時点で、普通その白パトとセットとなって付いてきますが、おにぎりの場合、大抵は美術部(持ち道具)の用意になります。
そしてこの日も、“おにぎり”は美術部の担当でした。
持ち道具の子は、青ざめていました。 予期せぬアクシデントに、右往左往です。 ただでさえ、前のシーンの現場や役者の対応に追われているのに、次シーンの劇用車までははっきり言って手が回りません。
ですが今回に関して言えば、劇用車まわりの装飾は、僕がほとんど対応していましたから、普通ならこの日のような装飾も、僕と劇用車のドライバーたちで、何の問題もなかったのです。
しかし、球切れとなるとそうもいきません。
これは、ドライバーである僕としては、やはり美術部の対応を待つしかない…
…とも、言ってられない状態になってきました。 刻一刻と劇用車たちの出番が迫ります。 とりあえずパトランプを解体して球は取り出しましたが、肝心の持ち道具の子は、現場を抜け出せません。
この時点では、球を変えれば直るという確証は得ていたのですが、その球をどこで入手すべきか少し悩みました。
12ボルト 23ワット
このような電球は、恐らく町の電器屋にはないでしょう。 後は、カー用品店とかホームセンターでしょうか。 ですがここ下町に立地している可能性は薄い。
後は… ガソリンスタンドしかない。
そうなんです、身近にあって、車用品を扱っている店、困った時のサービスステーション、ガソリンスタンドです。
僕は地図を開き、一番近くのガソリンスタンドを探しました。 そして500m程離れた裏道にポツンと一ヶ所だけ見つけ、とりあえず美トラを置いて走ったのです。
その間にも現場は続きます。 はっきり言ってパトランプが一台分点灯しなくても、撮影する事は可能ですし、なんの支障もないかもしれません。 いえ支障がないと言えば言い過ぎですが、とにかく、撮影は出来るのです。
僕は、小さなガソリンスタンドへ辿り着くと、まず店員に声を掛けました。
「あの、パト…」
ん? 待てよ。 ここでパトランプ用の球を下さいと言っていいものか? こちらも汗っていたので、切れた球すらも持参して来なかったし、とりあえず柳沢慎吾さんが刑事もののコントでよくやってるのを真似して手の平を回し、「これ用の…」と言ってみました。
「あーそれね」
通じた… これなら黄色や青色かもしれないからごまかせる。(赤色は通常一般は使用不可ですからね)
というわけで、300円払って、再び現場まで走って戻ると、早速パトランプに組み込みました。
間に合ったぁ!
そりゃ、持ち道具の子も喜んでくれましたよ。 まさか直せたなんてと。 そしてその記憶は、忙しさのあまり既に遠い過去となりまして…
300円の領収書を未だに持たされている僕なのでした。
2006年03月13日
駐車場料金の行方
今日から丸5日間、都内某所にある一軒家スタジオでのロケが続く為、我々車両部としても、いつものように5日間にも及ぶ狭い住宅街での路上待機が強いられる事となります。
そして今回のロケの場合、ドライバー付きの車両が、ロケバスと僕の美術トラックのみで、後は各パート自分達の所有する車での現場参加でした。
ですが、今日から全く移動の無い現場ということで、なんとロケバスが荷物を全て降ろして中3日間のバラシ。 最終日の搬出まで出番がないことが判明。 つまりドライバー付きの車両としては、美術トラックである僕だけという事態になったのです。
という事は…
いつものパターンなら、機材車、照明車、制作車、そして各俳優陣の車の鍵を渡されて、「警察来たら宜しく」となるのが、今までの常識。 しかもそれが丸5日間という事になれば、それはもう対警察、対住民への対応で、休む暇もない位の苦痛を味わう事にもなり兼ねません。
そこで僕は、制作部に直訴しました。 「僕は現場の近くで待機しなければならないので、全ての車両を5日間も面倒は見きれないよ」と。
という訳で、何とか制作部を説得し、これら撮影関係車両を近くのコインパーキングに収める事が出来たのです。
これで自分一人なら、どうとでも対応出来る、5日間を乗り切る事が出来る、そう思っていた矢先でした。 この組のただのカメラマンであるスタッフが制作部の所へ来て、鍵をぶら下げながら、「車、表に止めてあるから、後宜しく」と、鍵を制作部に放り投げていったのです。
今回のスタジオには、駐車場はありません。 それはロケハンでも確認済みですし、ましてや住宅街です。 ですから幾ら移動が無いからと言って自家用車両で乗り着けるとは、一体どういう領分なのでしょう。 本当に丸5日間、これを繰り返すつもりなのでしょうか?
勿論、それらの自家用車両を期間中、自分で管理するのなら、何も問題ありません。 ですがこの場合、明らかに第3者の手を煩わせる事になります。
仕方がないので、制作部と僕は、このカメラマンの自家用車両を近くのコインパーキングに収めに行きました。 とりあえず1日目は、これで乗り切る事が出来るでしょう。
しかしここで、一つの疑問が頭を過ります。
果たしてこのカメラマンの自家用車両の駐車場代は、誰が払うのでしょうか。
これがもし、機材車や照明車等の場合、それは当然制作費等で賄われます。
ですが、これらの自家用車両に対する支払いの義務は、果たして制作サイドにあるのでしょうか。
もしかして、「任した」に対する答えが駐車場なら、その代金の支払いは制作サイドの範疇になるのかも知れません。
その後、制作担当が、「制作備品であるテントすら買えない」と話しているのを聞きました。 それは、狭いスタジオロケにおいて、やむなく外で陣取る撮影部のベースとそのスタッフたちを、強い日差しや風から守る為に買おうとしているものだったというのです。
もし、このカメラマンの自家用車両の駐車場代5日間分を、制作サイドで賄うのならば、外で陣取るベースやスタッフたちは、このカメラマンによる犠牲であると言っても、もはや過言ではありません。
制作費とは、良い作品を作る為に使われるものであって、決して良い人間関係を保つ為に使われるものではないという事を、我々は強く信じています。
そして今回のロケの場合、ドライバー付きの車両が、ロケバスと僕の美術トラックのみで、後は各パート自分達の所有する車での現場参加でした。
ですが、今日から全く移動の無い現場ということで、なんとロケバスが荷物を全て降ろして中3日間のバラシ。 最終日の搬出まで出番がないことが判明。 つまりドライバー付きの車両としては、美術トラックである僕だけという事態になったのです。
という事は…
いつものパターンなら、機材車、照明車、制作車、そして各俳優陣の車の鍵を渡されて、「警察来たら宜しく」となるのが、今までの常識。 しかもそれが丸5日間という事になれば、それはもう対警察、対住民への対応で、休む暇もない位の苦痛を味わう事にもなり兼ねません。
そこで僕は、制作部に直訴しました。 「僕は現場の近くで待機しなければならないので、全ての車両を5日間も面倒は見きれないよ」と。
という訳で、何とか制作部を説得し、これら撮影関係車両を近くのコインパーキングに収める事が出来たのです。
これで自分一人なら、どうとでも対応出来る、5日間を乗り切る事が出来る、そう思っていた矢先でした。 この組のただのカメラマンであるスタッフが制作部の所へ来て、鍵をぶら下げながら、「車、表に止めてあるから、後宜しく」と、鍵を制作部に放り投げていったのです。
今回のスタジオには、駐車場はありません。 それはロケハンでも確認済みですし、ましてや住宅街です。 ですから幾ら移動が無いからと言って自家用車両で乗り着けるとは、一体どういう領分なのでしょう。 本当に丸5日間、これを繰り返すつもりなのでしょうか?
勿論、それらの自家用車両を期間中、自分で管理するのなら、何も問題ありません。 ですがこの場合、明らかに第3者の手を煩わせる事になります。
仕方がないので、制作部と僕は、このカメラマンの自家用車両を近くのコインパーキングに収めに行きました。 とりあえず1日目は、これで乗り切る事が出来るでしょう。
しかしここで、一つの疑問が頭を過ります。
果たしてこのカメラマンの自家用車両の駐車場代は、誰が払うのでしょうか。
これがもし、機材車や照明車等の場合、それは当然制作費等で賄われます。
ですが、これらの自家用車両に対する支払いの義務は、果たして制作サイドにあるのでしょうか。
もしかして、「任した」に対する答えが駐車場なら、その代金の支払いは制作サイドの範疇になるのかも知れません。
その後、制作担当が、「制作備品であるテントすら買えない」と話しているのを聞きました。 それは、狭いスタジオロケにおいて、やむなく外で陣取る撮影部のベースとそのスタッフたちを、強い日差しや風から守る為に買おうとしているものだったというのです。
もし、このカメラマンの自家用車両の駐車場代5日間分を、制作サイドで賄うのならば、外で陣取るベースやスタッフたちは、このカメラマンによる犠牲であると言っても、もはや過言ではありません。
制作費とは、良い作品を作る為に使われるものであって、決して良い人間関係を保つ為に使われるものではないという事を、我々は強く信じています。
2006年03月12日
身内の大予言
今朝出がけに、身内が「オニギリを持って行って」と言ったので、たまにはポ○イじゃないのもいいかと思い、それを自分の鞄へ詰め込むと、まだ暗い空の下、一人集合場所へと向かいました。
現場到着が午前7時。 美術部は直ぐ様、搬入飾り込みをしなければならず、それが終わる頃、満を持して出発した本隊が到着して撮影を開始する為、実際まわりが落ち着くのは午前9時頃。 その時には、既に朝食を食べるタイミングを逃していたので、昼のロケ弁も食べるのを止めて、持参したオニギリを朝昼兼用で食べようと、そのタイミングを待っていた時の事でした。
チーフ助監督が制作担当とこんな話をしているのが聞こえました。
「弁当って来てる?」
僕はこの時、ああスケジュールが早く進行しているのだなぁと思い、さほど気にはしていなかったのですが、次の瞬間、世田谷の住宅街にも関わらずバレ飯をすると言い出したのです。
各スタッフは、次々と各車両に乗り込み、現場を後にします。 つまり食事をする為だけの車両移動をすると言うではありませんか。
そうです。 事もあろうに、昼のロケ弁発注を忘れてしまったのです。
ここが繁華街ならいざ知らず、よりによって世田谷の高級住宅地。 レストランどころか、自動販売機すらありません。
という訳でロケ隊は、今回のこの奇行に及んだのですが、気が付けば、現場である住宅地の道路には、備品や機材がそのまま放置してありました。
しかも制作部はメインスタッフを運んだり、役者の食事に対応する為、既に誰もいません。
僕は、その他のスタッフの反対を押し切り、現場に身を止めました。 誰かが荷物番をしなければなりませんから。 「飯はどうするの?」と美術スタッフは言ってくれましたが、僕は彼等をロケバスに乗せ「大丈夫!大丈夫!」と言って送り出したのです。
飯か…
ん? そういえば。
なんと僕にはオニギリがあったのです!
昨夜、身内がこしらえていたオニギリ。 いつもの朝なら、全く起きないのに、今朝に限って起きて「持って行って」と言っていたオニギリ。
もしや、この事を予想して…!?
そこで僕は、去年の暮れにあった出来事を思い出しました。
とある2時間ドラマの北海道ロケで、制作担当とチーフ助監督が大喧嘩をしてしまったのです。その翌朝、この身内よりこんなメールがありました。
「制作担当の話し相手になってあげて」
僕は、それが意味する事を、当初理解出来ませんでした。 何しろ制作担当がその事実を人に話したのが、このメールを受けた後の僕が、初めてだっからです。
つまり東京にいる身内自身、この時点ではこの事件すら知りませんでしたし、同じホテルに泊まっている僕でさえも、直接聞くまでは知らなかったのです。
にわかに信じがたい話ではありますが、そのような事が年に数回起きるのです。
そして今日も、このオニギリに救われました。
これはまさに予言といっても過言ではない領域に入ってきた感じです。
そんな訳でその後、制作部が寿司を、美術部が生姜焼き弁当を買って来てくれました。
いや、さすがにここまでは誰も予想出来なかったでしょう…
一番食べられない筈の僕が、誰よりも沢山のお弁当に囲まれているなんて。
もしかしたら、ある意味…
僕が一番“おいしかった”のかもしれない。
うん、オチもうまい(笑)
現場到着が午前7時。 美術部は直ぐ様、搬入飾り込みをしなければならず、それが終わる頃、満を持して出発した本隊が到着して撮影を開始する為、実際まわりが落ち着くのは午前9時頃。 その時には、既に朝食を食べるタイミングを逃していたので、昼のロケ弁も食べるのを止めて、持参したオニギリを朝昼兼用で食べようと、そのタイミングを待っていた時の事でした。
チーフ助監督が制作担当とこんな話をしているのが聞こえました。
「弁当って来てる?」
僕はこの時、ああスケジュールが早く進行しているのだなぁと思い、さほど気にはしていなかったのですが、次の瞬間、世田谷の住宅街にも関わらずバレ飯をすると言い出したのです。
各スタッフは、次々と各車両に乗り込み、現場を後にします。 つまり食事をする為だけの車両移動をすると言うではありませんか。
そうです。 事もあろうに、昼のロケ弁発注を忘れてしまったのです。
ここが繁華街ならいざ知らず、よりによって世田谷の高級住宅地。 レストランどころか、自動販売機すらありません。
という訳でロケ隊は、今回のこの奇行に及んだのですが、気が付けば、現場である住宅地の道路には、備品や機材がそのまま放置してありました。
しかも制作部はメインスタッフを運んだり、役者の食事に対応する為、既に誰もいません。
僕は、その他のスタッフの反対を押し切り、現場に身を止めました。 誰かが荷物番をしなければなりませんから。 「飯はどうするの?」と美術スタッフは言ってくれましたが、僕は彼等をロケバスに乗せ「大丈夫!大丈夫!」と言って送り出したのです。
飯か…
ん? そういえば。
なんと僕にはオニギリがあったのです!
昨夜、身内がこしらえていたオニギリ。 いつもの朝なら、全く起きないのに、今朝に限って起きて「持って行って」と言っていたオニギリ。
もしや、この事を予想して…!?
そこで僕は、去年の暮れにあった出来事を思い出しました。
とある2時間ドラマの北海道ロケで、制作担当とチーフ助監督が大喧嘩をしてしまったのです。その翌朝、この身内よりこんなメールがありました。
「制作担当の話し相手になってあげて」
僕は、それが意味する事を、当初理解出来ませんでした。 何しろ制作担当がその事実を人に話したのが、このメールを受けた後の僕が、初めてだっからです。
つまり東京にいる身内自身、この時点ではこの事件すら知りませんでしたし、同じホテルに泊まっている僕でさえも、直接聞くまでは知らなかったのです。
にわかに信じがたい話ではありますが、そのような事が年に数回起きるのです。
そして今日も、このオニギリに救われました。
これはまさに予言といっても過言ではない領域に入ってきた感じです。
そんな訳でその後、制作部が寿司を、美術部が生姜焼き弁当を買って来てくれました。
いや、さすがにここまでは誰も予想出来なかったでしょう…
一番食べられない筈の僕が、誰よりも沢山のお弁当に囲まれているなんて。
もしかしたら、ある意味…
僕が一番“おいしかった”のかもしれない。
うん、オチもうまい(笑)
2006年03月10日
♪ “耐えて六本木交差点”の歌
♪《耐えて六本木交差点》
日本語巧みな外国の人(まっくろまっくろ)
さらに巧みな朝帰りホスト(まっくろまっくろ)
朝の人間模様 横目で見ながら
今日も行く行く路上駐車
警察真向かい ミニパトゾロゾロ
クラクション聞かない路上の駐車
オカマに出くわし(でっかいでっかい)
松屋の特盛り(でっかいでっかい)
渋滞発生 路上の駐車
あー 誰か早く逃がしてと言ってくれ
あー 嘘でもいいから即通報してくれ
六本木交差点 六本木交差点
一人は寂しいから 退屈凌ぎに作詞をしたけど
それはとっても空しい イェーイ ベイべー
ロケ弁なんかじゃ 釣られはしないぜ
だからお願い レッツゴーバレ飯
こんな状態 一日無理だよ
行ったり来たりの路上駐車人生
あー 制作担当見て見ぬフリだよ
あー 持ち道具さん忘れ物しないで
六本木交差点 六本木交差点
睡眠時間は2時間だけど 一日一ヶ所騙され路駐
安眠出来るか! イェーイ ベイべー
あー 完全撤収期限守れよ
あー 僕の存在忘れないでよ
六本木交差点 六本木交差点
今日も無事に乗り越えられるよう
祈るしかない 路上駐車
レッカー移動 本日2台目
2代目黒塗り センチュリー
松屋 幸楽苑 アマンド ファーストキッチン ビックエコー
青山ブックセンター 東京三菱UFJ銀行 マツモトキヨシ
みんなみんな近くなのに
車から離れる事すら許されない
そんな六本木交差点は 麻布K察のお膝元〜
(台詞)
「今日を乗り切ると明日は楽しい撮休日です。 午前中には病院へ行って、荷物搬出時に階段落ちした箇所を治療します。 なーに、大した事ないですよ。 ちょっと骨にひびが入っただけさ。」
I Love You Beby
I Love You Beby
ああ 我が愛しの美術トラックよ
こんな感じで お前と六本木心中ぅ
作詞 piyota
作曲 募集中
唄 グレイ 希望
日本語巧みな外国の人(まっくろまっくろ)
さらに巧みな朝帰りホスト(まっくろまっくろ)
朝の人間模様 横目で見ながら
今日も行く行く路上駐車
警察真向かい ミニパトゾロゾロ
クラクション聞かない路上の駐車
オカマに出くわし(でっかいでっかい)
松屋の特盛り(でっかいでっかい)
渋滞発生 路上の駐車
あー 誰か早く逃がしてと言ってくれ
あー 嘘でもいいから即通報してくれ
六本木交差点 六本木交差点
一人は寂しいから 退屈凌ぎに作詞をしたけど
それはとっても空しい イェーイ ベイべー
ロケ弁なんかじゃ 釣られはしないぜ
だからお願い レッツゴーバレ飯
こんな状態 一日無理だよ
行ったり来たりの路上駐車人生
あー 制作担当見て見ぬフリだよ
あー 持ち道具さん忘れ物しないで
六本木交差点 六本木交差点
睡眠時間は2時間だけど 一日一ヶ所騙され路駐
安眠出来るか! イェーイ ベイべー
あー 完全撤収期限守れよ
あー 僕の存在忘れないでよ
六本木交差点 六本木交差点
今日も無事に乗り越えられるよう
祈るしかない 路上駐車
レッカー移動 本日2台目
2代目黒塗り センチュリー
松屋 幸楽苑 アマンド ファーストキッチン ビックエコー
青山ブックセンター 東京三菱UFJ銀行 マツモトキヨシ
みんなみんな近くなのに
車から離れる事すら許されない
そんな六本木交差点は 麻布K察のお膝元〜
(台詞)
「今日を乗り切ると明日は楽しい撮休日です。 午前中には病院へ行って、荷物搬出時に階段落ちした箇所を治療します。 なーに、大した事ないですよ。 ちょっと骨にひびが入っただけさ。」
I Love You Beby
I Love You Beby
ああ 我が愛しの美術トラックよ
こんな感じで お前と六本木心中ぅ
作詞 piyota
作曲 募集中
唄 グレイ 希望
2006年03月09日
熱いぜチーフ!
とある下町の繁華街に一際響き渡るチーフ助監督の声。
「早く止めろよ!」
しかし歩道上の人止めをしているサード助監督君、進み行く自転車を止める事が出来ずに再びチーフ助監督の罵声が飛ぶ。
「止めろっつってんだろ!!」
この日のナイターロケは、都電荒川線沿線でのロケ。 都電狙いでありながら、2分置きに鳴り出す踏み切りを掻い潜っての一大ロケーション。
四方八方からやって来る人や車を、演出、制作、車両、各パート総出で止めているのに、2分置きには踏み切りが鳴り出すものだから、現場が全く進行せず、人止めをしているチーフ助監督自らが、ピリピリしている訳なんです。
そんなチーフ助監督がお手本の人止めをして下さいました。 尚、この後の彼の発言は、一般の方々に発せられたものです。
では、どうぞ。
「そこ、止まって! 直ぐ終わるから! あっ、待って! 行かないでって!! あー! もういい! あんたは行って!! そこ止まんないで! さっさと行ってよ!!! はい回して!!!!」
カンカンカンカン… と、またもや踏み切り。
いやカンカンなのは、本当は一般の方々の方で…
もう少しスマートにやろうよチーフ助監督さん、白髪なんだし、もういい歳なんだから。
「早く止めろよ!」
しかし歩道上の人止めをしているサード助監督君、進み行く自転車を止める事が出来ずに再びチーフ助監督の罵声が飛ぶ。
「止めろっつってんだろ!!」
この日のナイターロケは、都電荒川線沿線でのロケ。 都電狙いでありながら、2分置きに鳴り出す踏み切りを掻い潜っての一大ロケーション。
四方八方からやって来る人や車を、演出、制作、車両、各パート総出で止めているのに、2分置きには踏み切りが鳴り出すものだから、現場が全く進行せず、人止めをしているチーフ助監督自らが、ピリピリしている訳なんです。
そんなチーフ助監督がお手本の人止めをして下さいました。 尚、この後の彼の発言は、一般の方々に発せられたものです。
では、どうぞ。
「そこ、止まって! 直ぐ終わるから! あっ、待って! 行かないでって!! あー! もういい! あんたは行って!! そこ止まんないで! さっさと行ってよ!!! はい回して!!!!」
カンカンカンカン… と、またもや踏み切り。
いやカンカンなのは、本当は一般の方々の方で…
もう少しスマートにやろうよチーフ助監督さん、白髪なんだし、もういい歳なんだから。
2006年03月07日
学習しないナイター待ち
午後3時10分。
繁華街近くに位置するロケ中のビルのセットから、撮影部のカメラマンが一人出てきました。 カメラマンは、路上待機中の美トラやロケバスの横を通り抜けて、そのまま繁華街の方へ向かうではありませんか。 続いて撮影部の面々、照明部のアシスタント…
彼等は一体どこへ行くのでしょうか。 ロケ現場では今、何が行われているのでしょうか。 一人取り残されたような気分になった僕は、慌てて現場へと足を運びました。
そこで僕が目にした光景は…
なんと、ガランとしたロケセットの中で、一人イビキをかいて寝ている録音助手の姿だったのです!
さて台本には、色々なシーンが書かれている訳ですが、その話の流れの中には、当然昼のシーンがあり夜のシーンもあります。
そしてそれらのシーンは、スケジューラーでもあるチーフ助監督によって、台本の内容分量や役者のスケジュール、ロケセットのスケジュール、さらに移動時間等も考慮された上で、全日程の中において最良?の形で、振り分けられるようになるのですね。
各パート、各セクション、各俳優、各ロケセットの言い分が考慮された、それはそれは気の遠くなるような組み合わせの末に出来上がったスケジュールなのです。
そこで実際にそのスケジュールを見るわけですが、必ずある法則が成り立つことが分かります。
それは当然の事ながら、オープンロケの場合、明るいうちにデイシーンを撮り、暗くなってからはナイトシーンを撮るという事です。 これはロケセット内においても窓の外が映っていれば、それは同じ事で、やっぱり外が暗くならない限りは、ナイトシーンとして成り立つことはないのです。
しかしスケジュールには、いつも少しばかりの無理があり、昼のシーンと夜のシーンを、スケジュール上でタイミングよく組み合わせる事が中々困難なのです。
そこでロケ隊は、色々な工夫を施します。
例えばデイシーンを分量的に見ても、早く撮り終わるだろうと予想される場合、最初から出発時間を遅らせるという手段を講じます。 こうすれば、暗くなるまで待つ事なく、タイミングを合わせる事が可能となります。
逆に冬場のように明るい時間が短いような場合は、明るくなったらすぐロケが開始出来るように、出発時間を早めに設定したりして調整するようにします。
またスケジュールは、いつもその通りに進行するとは限りませんから、途中でタイミングがズレてしまったような場合においては、その日のスケジュールに無い、簡単なシーンを追加(役者、衣裳、セットが全て揃っているのが前提)したり、車両部が極秘で調整移動(わざと遠回りをしたりする事で、事前に制作や助監督に指示される)をして、タイミングを合わせるといった、技を使って急場をなんとか凌ぐのです。
しかし今…
ロケが中断してから既に2時間が経とうとしています。
再開予定時刻まで、後1時間余り。
午後5時前、時間稼ぎとも思われる夕食の弁当が早々と用意されましたが、さすがにまだ誰も手を付けてはいませんでした。
この組始まって以来、2時間以上のナイター待ちが既に3回目。
そして未だに、早朝出発が続いています。
まるで学習されないナイター待ち。
その間も、路上で駐禁の恐怖と戦いながら待機を続ける我々車両部は勿論…
…
泣いたー。
繁華街近くに位置するロケ中のビルのセットから、撮影部のカメラマンが一人出てきました。 カメラマンは、路上待機中の美トラやロケバスの横を通り抜けて、そのまま繁華街の方へ向かうではありませんか。 続いて撮影部の面々、照明部のアシスタント…
彼等は一体どこへ行くのでしょうか。 ロケ現場では今、何が行われているのでしょうか。 一人取り残されたような気分になった僕は、慌てて現場へと足を運びました。
そこで僕が目にした光景は…
なんと、ガランとしたロケセットの中で、一人イビキをかいて寝ている録音助手の姿だったのです!
さて台本には、色々なシーンが書かれている訳ですが、その話の流れの中には、当然昼のシーンがあり夜のシーンもあります。
そしてそれらのシーンは、スケジューラーでもあるチーフ助監督によって、台本の内容分量や役者のスケジュール、ロケセットのスケジュール、さらに移動時間等も考慮された上で、全日程の中において最良?の形で、振り分けられるようになるのですね。
各パート、各セクション、各俳優、各ロケセットの言い分が考慮された、それはそれは気の遠くなるような組み合わせの末に出来上がったスケジュールなのです。
そこで実際にそのスケジュールを見るわけですが、必ずある法則が成り立つことが分かります。
それは当然の事ながら、オープンロケの場合、明るいうちにデイシーンを撮り、暗くなってからはナイトシーンを撮るという事です。 これはロケセット内においても窓の外が映っていれば、それは同じ事で、やっぱり外が暗くならない限りは、ナイトシーンとして成り立つことはないのです。
しかしスケジュールには、いつも少しばかりの無理があり、昼のシーンと夜のシーンを、スケジュール上でタイミングよく組み合わせる事が中々困難なのです。
そこでロケ隊は、色々な工夫を施します。
例えばデイシーンを分量的に見ても、早く撮り終わるだろうと予想される場合、最初から出発時間を遅らせるという手段を講じます。 こうすれば、暗くなるまで待つ事なく、タイミングを合わせる事が可能となります。
逆に冬場のように明るい時間が短いような場合は、明るくなったらすぐロケが開始出来るように、出発時間を早めに設定したりして調整するようにします。
またスケジュールは、いつもその通りに進行するとは限りませんから、途中でタイミングがズレてしまったような場合においては、その日のスケジュールに無い、簡単なシーンを追加(役者、衣裳、セットが全て揃っているのが前提)したり、車両部が極秘で調整移動(わざと遠回りをしたりする事で、事前に制作や助監督に指示される)をして、タイミングを合わせるといった、技を使って急場をなんとか凌ぐのです。
しかし今…
ロケが中断してから既に2時間が経とうとしています。
再開予定時刻まで、後1時間余り。
午後5時前、時間稼ぎとも思われる夕食の弁当が早々と用意されましたが、さすがにまだ誰も手を付けてはいませんでした。
この組始まって以来、2時間以上のナイター待ちが既に3回目。
そして未だに、早朝出発が続いています。
まるで学習されないナイター待ち。
その間も、路上で駐禁の恐怖と戦いながら待機を続ける我々車両部は勿論…
…
泣いたー。
2006年03月05日
モーニングコール
スケジュール等に記載されている出発時間とは、新宿渋谷等の各集合場所から出発する、いわゆる本隊バス用のもので、大抵はチーフ助監督によって、第一現場の開始時間より逆算して算出されます。
そして本隊とは別に、それぞれの出合場所より、機材車、照明車、美術車等が出発する訳ですが、これら本隊バス以外の車両を担当する場合、出発時間の設定は、経験等を踏まえ、ドライバー本人に任される事が意外に多いのですね。
つまり本隊到着と同時に撮影開始が可能になるように、これら各車両は、それが都内ロケであろうと地方ロケであろうと、本隊が到着する予定の時間よりも前に準備が終われるように、自らの出発時間を設定しなければならないのです。
そこで今回の美術トラックで例えると、仮にロケ地が、“お台場”で開始時間が朝の8時だとすると、本隊バスが渋谷を7時に出発後、20〜30分程度の移動で到着してしまいますから、それよりも前には着いてロケ場所の準備、俳優部の仕度をしなければならないということになります。
しかし美術パートというもの、大抵は都心から少し離れた撮影所、又は郊外の広大?なスペースに、その事務所や倉庫等を構えていますから、集合出発時間も自ずと本隊より早めに設定されてしまいます。
ただでさえ、到着時間を早めに設定しているのに、その出発場所さえも、最初から相当なハンデを背負わされているのです。
さらに郊外からの幹線道路は、都心へ向かう朝の通勤の車で渋滞の真っ最中。 だから現場へ早く到着する為には、少しでも早く出たいというのが本心なのです。
ですが…
イン初日。 唯一同乗する持ち道具の子がこちらの設定時刻に30分の遅刻。 この日は、どちらかというと都心からより、郊外であるこちらからの方が有利な場所だった為にかろうじてセーフ。
2日目。 同じく15分の遅刻。 この日は新宿でのロケの為、高速を使わずに下道を選択。 結局、開始時間前には到着したものの、美術の搬入待ちになってしまいました。
3日目。 出発設定時刻になってからようやく積み込みを開始。 10分後出発するも、都心を通り越しての海側撮影現場の為、都心に入るまでに約1時間10分を消耗。 本隊出発より1時間も前に出発したにも関わらず、現場到着が本隊のたった2分前という、誠に心臓に悪い移動となったのでした。
しかし、それもこれも、持ち道具の子の真面目さ故。 毎日ロケ終了後も、深夜2時3時まで掛って翌日の準備をし、それから家に戻って、5時にはまた家を出なければいけないのですから、多少寝過ごすのも無理もない話。
そんな訳で4時半起きの僕が、これからはモーニングコールをする事にしました。
そして今日、初めて時間前に集合して、初めて設定時間の出発に成功!!
だったのですが…
現場へ到着した時、まだロケセットの鍵を開ける制作部も、メイク先発のチームすらも到着していませんでした。
しょうがないので、皆が来るまで少し仮眠です。
誰か後でモーニングコールお願いします…
そして本隊とは別に、それぞれの出合場所より、機材車、照明車、美術車等が出発する訳ですが、これら本隊バス以外の車両を担当する場合、出発時間の設定は、経験等を踏まえ、ドライバー本人に任される事が意外に多いのですね。
つまり本隊到着と同時に撮影開始が可能になるように、これら各車両は、それが都内ロケであろうと地方ロケであろうと、本隊が到着する予定の時間よりも前に準備が終われるように、自らの出発時間を設定しなければならないのです。
そこで今回の美術トラックで例えると、仮にロケ地が、“お台場”で開始時間が朝の8時だとすると、本隊バスが渋谷を7時に出発後、20〜30分程度の移動で到着してしまいますから、それよりも前には着いてロケ場所の準備、俳優部の仕度をしなければならないということになります。
しかし美術パートというもの、大抵は都心から少し離れた撮影所、又は郊外の広大?なスペースに、その事務所や倉庫等を構えていますから、集合出発時間も自ずと本隊より早めに設定されてしまいます。
ただでさえ、到着時間を早めに設定しているのに、その出発場所さえも、最初から相当なハンデを背負わされているのです。
さらに郊外からの幹線道路は、都心へ向かう朝の通勤の車で渋滞の真っ最中。 だから現場へ早く到着する為には、少しでも早く出たいというのが本心なのです。
ですが…
イン初日。 唯一同乗する持ち道具の子がこちらの設定時刻に30分の遅刻。 この日は、どちらかというと都心からより、郊外であるこちらからの方が有利な場所だった為にかろうじてセーフ。
2日目。 同じく15分の遅刻。 この日は新宿でのロケの為、高速を使わずに下道を選択。 結局、開始時間前には到着したものの、美術の搬入待ちになってしまいました。
3日目。 出発設定時刻になってからようやく積み込みを開始。 10分後出発するも、都心を通り越しての海側撮影現場の為、都心に入るまでに約1時間10分を消耗。 本隊出発より1時間も前に出発したにも関わらず、現場到着が本隊のたった2分前という、誠に心臓に悪い移動となったのでした。
しかし、それもこれも、持ち道具の子の真面目さ故。 毎日ロケ終了後も、深夜2時3時まで掛って翌日の準備をし、それから家に戻って、5時にはまた家を出なければいけないのですから、多少寝過ごすのも無理もない話。
そんな訳で4時半起きの僕が、これからはモーニングコールをする事にしました。
そして今日、初めて時間前に集合して、初めて設定時間の出発に成功!!
だったのですが…
現場へ到着した時、まだロケセットの鍵を開ける制作部も、メイク先発のチームすらも到着していませんでした。
しょうがないので、皆が来るまで少し仮眠です。
誰か後でモーニングコールお願いします…
2006年03月03日
NOW ON AIR の実際
よく撮影見学者等から、「これ、いつやるの?」とか「いつ放送?」と執拗に聞かれるのですが、実際のところ、我々末端の車両部では、放送日については分かりかねる部分があります。
事実、これらのドラマは、その撮影の時点では、放送日が未定であることがほとんどで、特にスペシャルや決まった時期的な枠がない限りは、それらはストックとして常に保存される事となるのですね。
ではストックされたドラマ達の放送時期は、どのようにして決められるのでしょうか。
これはあくまでも推測なのですが、その多くは、撮影された季節や内容、そしてニュース等にも関係していると思われるのです。
まず、このような2時間ドラマのストックは、撮って出しの連ドラとは違い、各テレビ局共50本〜100本と言われており、その間にも毎月30本〜40本もの新作が、常にストック入りを目指して撮影されています。
しかしオンエアー数は、一週間にせいぜい5本〜6本がいいとこ。
という事は、中には撮影されてから数年以上経っているものがあっても不思議ではない訳です。
そもそもサスペンスドラマとは、いくつかのパターンがあり、それは例えば人気作家ものであったり、旅情温泉もの、料理食文化もの、鉄道トリックもの、季節イベントもの、医療病院もの等、それぞれの趣味や特技を持った刑事や弁護士や識者である主人公達が、難事件に巻き込まれながらも、それらを解決に導いて行くという、単純明快なストーリーで人気を博しているのですね。
そこで、それらの気になる放送時期なのですが、まずは必ずしも撮影された順番にはオンエアーはされないという事です。 これは、視聴率を計算する放送局側の意図によるもので、例えば季節イベントものに関して言えば、桜や雪、祭り等を、それぞれ全然違う季節に放送しても、勿論違和感がありますし、夏休みや連休前に旅情ものや料理ものを放送すれば、そこへ行こうとしていた人々の興味を引くかもしれません。 そしてそれら季節ものの間に、例えばあえて、関連するニュースや事件に引っ掛けるような内容のものをくり出したりすれば、視聴率をより一層稼ぎ出せる事も可能です。
以前、逆に誘拐ものが、同事件の発生により放送延期になったりしたこともありましたし、少なからず、こういった時代背景が放送に関連性があるといっても過言ではない訳です。
しかし中には、どうでもいい(笑)作品もあります。 季節や時代背景に全く関係のないやつです。
そして、そういう作品は、ぽっかりと空いた枠にしか入れる事ができません。
そう、いわゆる代打というやつですね。
僕が以前担当した作品は、まさにそれです。 内容はここでは明かせませんが、本当に何も話題性がないのです。
生まれながらの代打要員。 彼はもう3年もベンチを温めていますから、この先出番があるかどうかは期待出来ません。
恐らくこういった作品は各局にも沢山ある筈です。 出演者ですら忘れてしまっているものもあるかもしれません。
このような作品は、この後一体どうなるのでしょうか。 もしかしてお蔵入りにでもなってしまうのでしょうか。
それよりも何故、作る前に気づかなかったのか…
このまま無駄遣いにならなければ良いのですが(~_~;)
事実、これらのドラマは、その撮影の時点では、放送日が未定であることがほとんどで、特にスペシャルや決まった時期的な枠がない限りは、それらはストックとして常に保存される事となるのですね。
ではストックされたドラマ達の放送時期は、どのようにして決められるのでしょうか。
これはあくまでも推測なのですが、その多くは、撮影された季節や内容、そしてニュース等にも関係していると思われるのです。
まず、このような2時間ドラマのストックは、撮って出しの連ドラとは違い、各テレビ局共50本〜100本と言われており、その間にも毎月30本〜40本もの新作が、常にストック入りを目指して撮影されています。
しかしオンエアー数は、一週間にせいぜい5本〜6本がいいとこ。
という事は、中には撮影されてから数年以上経っているものがあっても不思議ではない訳です。
そもそもサスペンスドラマとは、いくつかのパターンがあり、それは例えば人気作家ものであったり、旅情温泉もの、料理食文化もの、鉄道トリックもの、季節イベントもの、医療病院もの等、それぞれの趣味や特技を持った刑事や弁護士や識者である主人公達が、難事件に巻き込まれながらも、それらを解決に導いて行くという、単純明快なストーリーで人気を博しているのですね。
そこで、それらの気になる放送時期なのですが、まずは必ずしも撮影された順番にはオンエアーはされないという事です。 これは、視聴率を計算する放送局側の意図によるもので、例えば季節イベントものに関して言えば、桜や雪、祭り等を、それぞれ全然違う季節に放送しても、勿論違和感がありますし、夏休みや連休前に旅情ものや料理ものを放送すれば、そこへ行こうとしていた人々の興味を引くかもしれません。 そしてそれら季節ものの間に、例えばあえて、関連するニュースや事件に引っ掛けるような内容のものをくり出したりすれば、視聴率をより一層稼ぎ出せる事も可能です。
以前、逆に誘拐ものが、同事件の発生により放送延期になったりしたこともありましたし、少なからず、こういった時代背景が放送に関連性があるといっても過言ではない訳です。
しかし中には、どうでもいい(笑)作品もあります。 季節や時代背景に全く関係のないやつです。
そして、そういう作品は、ぽっかりと空いた枠にしか入れる事ができません。
そう、いわゆる代打というやつですね。
僕が以前担当した作品は、まさにそれです。 内容はここでは明かせませんが、本当に何も話題性がないのです。
生まれながらの代打要員。 彼はもう3年もベンチを温めていますから、この先出番があるかどうかは期待出来ません。
恐らくこういった作品は各局にも沢山ある筈です。 出演者ですら忘れてしまっているものもあるかもしれません。
このような作品は、この後一体どうなるのでしょうか。 もしかしてお蔵入りにでもなってしまうのでしょうか。
それよりも何故、作る前に気づかなかったのか…
このまま無駄遣いにならなければ良いのですが(~_~;)
2006年03月01日
体力的楽を取るか、精神的楽を取るか
今月末より、在職9年でたった1度しかない月定(美術)トラックを運転する事になりました。
2度目というのは、ちょっとオーバーかもしれませんが、過去助っ人として数日間のみの登板はあったとしても、一本(この場合2H)を、丸々通しでやったことが本当に今まで一度きりしかなかったのです。
しかもその一本も、全編2カメによるもので、その内撮影所でのセットが3日間。 オープンロケを入れてもたったの8日間しかないという、2時間ドラマとしては、超破格の短さのものでしたから、トータル経験値で例えても、僕はもう素人も素人、ど素人の部類に属する訳ですよ。
しかし長年ロケバスをやってきて、側では美術トラックの仕事は少なからず見てきてた訳ですから、僕なりの努力をしようと今回は張り切っていたのです。
そのロケ初日。
出発時間になっても同乗するはずの持ち道具の子が現れません。 聞くところによると、昨晩からの出道具準備を、出発の2時間前まで行っていたというのです。 一度家に戻ったらしいのですが、恐らく体力の限界だったのでしょう。 約30分遅れで集合場所へと辿り付き、なんとか初日からの最悪の事態は免れたのでした。
さて美術トラックの仕事は、当然トラックの運転をする事がメインなのですが、ロケバス等とは違い、持ち道具と美術の親玉の指示でのみ動きます。 つまり美術アシスタントの意味合いも兼ねる訳ですね。
この日の現場は2ヶ所。 その一つ目の現場には、劇用車である白パト、黒パト、そして電気屋のバンが配車。 持ち道具の子が俳優に出道具である腕時計や靴を運んでいる間に、僕等はまず電気屋の車に○○電気と書いたステッカーを貼ります。 次に車内に美術倉庫から持ってきた、電気製品の段ボールを載せ、劇用ナンバーに付け変えたら、一丁上がりです。
次に白パト。 これも同じく○○警察と書かれたステッカーを左右後ろに貼り、パトランプやその他ヘルメット等の装飾を施します。
それらの準備が終わり、次に現場の装飾を手伝いに行こうとしたところ、いきなりチーフ助監督に呼び止められました。
「電気屋の主人やってよ」
なんとイン初日のファーストカットで内トラ出演です。 これには、さすがの僕もビックリです。
それが終わると、劇用パトカーの配置と本番でのパトランプスイッチのオンオフを担当。
その合間にも電気屋車のバラシをやりながら、出演の終わった役者を制作部の車で駅まで送迎、その後、少し離れた公園でロケをしている間に、ロケセットのバラシをしながらのセット復元作業。 出っぱなしの美トラの荷物を回収して積み込み、最後に残った劇用白パトをバラして、第二現場へと移動します。
第二現場では、一番最初に現場へ着き、現場より少し離れたロケバスのスタッフたちを現場へ誘導。 直ぐ様制作車より預かってきたナイター用暗幕を取りに美トラへと戻り、再び現場へと足を向けます。そのついでにも第二陣のスタッフを誘導し、その後、繁華街の路上での待機を実施します。
あれっ、美トラの仕事じゃない事も一杯しているけど、この忙しさがなんか楽しい。 充実していると言っても過言でもない!
これって、もしかして解放感?
ロケバスみたいに、わがままなスタッフの戯言に惑わされなくてもいいという自由。
なるほど…これは精神的には、楽かもしれない。
体力的楽を取るか、精神的楽を取るか…
それは勿論、スタッフ次第ですけど(笑)
2度目というのは、ちょっとオーバーかもしれませんが、過去助っ人として数日間のみの登板はあったとしても、一本(この場合2H)を、丸々通しでやったことが本当に今まで一度きりしかなかったのです。
しかもその一本も、全編2カメによるもので、その内撮影所でのセットが3日間。 オープンロケを入れてもたったの8日間しかないという、2時間ドラマとしては、超破格の短さのものでしたから、トータル経験値で例えても、僕はもう素人も素人、ど素人の部類に属する訳ですよ。
しかし長年ロケバスをやってきて、側では美術トラックの仕事は少なからず見てきてた訳ですから、僕なりの努力をしようと今回は張り切っていたのです。
そのロケ初日。
出発時間になっても同乗するはずの持ち道具の子が現れません。 聞くところによると、昨晩からの出道具準備を、出発の2時間前まで行っていたというのです。 一度家に戻ったらしいのですが、恐らく体力の限界だったのでしょう。 約30分遅れで集合場所へと辿り付き、なんとか初日からの最悪の事態は免れたのでした。
さて美術トラックの仕事は、当然トラックの運転をする事がメインなのですが、ロケバス等とは違い、持ち道具と美術の親玉の指示でのみ動きます。 つまり美術アシスタントの意味合いも兼ねる訳ですね。
この日の現場は2ヶ所。 その一つ目の現場には、劇用車である白パト、黒パト、そして電気屋のバンが配車。 持ち道具の子が俳優に出道具である腕時計や靴を運んでいる間に、僕等はまず電気屋の車に○○電気と書いたステッカーを貼ります。 次に車内に美術倉庫から持ってきた、電気製品の段ボールを載せ、劇用ナンバーに付け変えたら、一丁上がりです。
次に白パト。 これも同じく○○警察と書かれたステッカーを左右後ろに貼り、パトランプやその他ヘルメット等の装飾を施します。
それらの準備が終わり、次に現場の装飾を手伝いに行こうとしたところ、いきなりチーフ助監督に呼び止められました。
「電気屋の主人やってよ」
なんとイン初日のファーストカットで内トラ出演です。 これには、さすがの僕もビックリです。
それが終わると、劇用パトカーの配置と本番でのパトランプスイッチのオンオフを担当。
その合間にも電気屋車のバラシをやりながら、出演の終わった役者を制作部の車で駅まで送迎、その後、少し離れた公園でロケをしている間に、ロケセットのバラシをしながらのセット復元作業。 出っぱなしの美トラの荷物を回収して積み込み、最後に残った劇用白パトをバラして、第二現場へと移動します。
第二現場では、一番最初に現場へ着き、現場より少し離れたロケバスのスタッフたちを現場へ誘導。 直ぐ様制作車より預かってきたナイター用暗幕を取りに美トラへと戻り、再び現場へと足を向けます。そのついでにも第二陣のスタッフを誘導し、その後、繁華街の路上での待機を実施します。
あれっ、美トラの仕事じゃない事も一杯しているけど、この忙しさがなんか楽しい。 充実していると言っても過言でもない!
これって、もしかして解放感?
ロケバスみたいに、わがままなスタッフの戯言に惑わされなくてもいいという自由。
なるほど…これは精神的には、楽かもしれない。
体力的楽を取るか、精神的楽を取るか…
それは勿論、スタッフ次第ですけど(笑)





