新着記事

2006年07月29日

連ドラの監督たち

映画や2時間ドラマ等とは違い、連続ドラマでは、その回毎に監督が入れ替わります。 その数は1本で、おおよそ4〜6人。

入れ替わる理由は様々だとは思いますが、しいてあげれば、毎週放送する番組の性質上、担当する回の編集作業等のプリプロダクションにその時間が割かれる為、続けて2話以上の演出が物理的に無理であるということがあげられると思います。

まぁ監督が変わるということで、現場での演出上特別大きく変わる点は特に無いとは思うのですが、主に1話2話、最終話担当の監督の演出方法が、基本的にその番組のスタイルとなることが一般的となるので、その事で変化があるとすれば、それは作風ではなく現場のテンションや雰囲気であり、3ヶ月にも及ぶ長期的な作品の中においては、活性化が計れるという意味で、スタッフや役者にとってもきっと、それは新鮮なことに思えるのでしょう。

ですが時として、それが仇となる場合も無きにしも非ずなのです。

というのも、このように連続したロケやセット撮影を続けている慢性的に疲れたスタッフたちにとって、入れ替わり立ち替わり現れる元気な監督は、まるで鬼のように見えてしまうからなんです。

つまり監督という職種は、例えそれが連ドラの一本であっても、自分の作品である事にはなんら変わりありません。ですからその作品一点集中で、当然力を入れてくる訳です。

しかし他のスタッフにしてみれば、連日連夜のフル稼働状態で既にヨレヨレなのに、その翌日にはまた、そんな状態とも知らない意気揚々の次の監督が自分の作品を撮りあげる為にやってくる訳ですからたまりません。

まだそれが常識ある元気さならいいのでしょうが、特に自分流を貫く(何故か作風ではなく、現場の雰囲気作りに自分流がある)監督がやってくると、現場はその意図とは反比例して、より一層どんよりとした空気で覆われてしまう事になってしまうのですよ。

仮にそれが、その監督のスタイルであるとしましょう。 現場では常に人一倍大きな声で「よーいスタート!」や「カットぉ!」と叫び、役者やスタッフに対する指示にも全力で声を出します。 確かに声を出す事は、挨拶に始まり、また指示を出す上でも限りなく必要不可欠なものでありますが、それが例えば次のような場合においては、どうなのでしょうか?

[病院内でのロケ]

[住宅街でのロケ]

[早朝深夜のロケ]

このようなスタイルを貫く監督のほとんどは、場所や時間をわきまえません。 なぜならそうすることが現場の志気を常に上げるものだと勘違いしているからです。

ですが、ロケ場所にはルールがあります。 それは勿論、社会的にみても一般常識的なルールです。

ましてや連続ものともなれば、何度となく足を運ぶレギュラーのロケ地において、一方では穏便に進んでいた筈の現場に、一方では、その騒音にクレームが叫ばれる矛盾。

新しく参加してくる監督にとっては、レギュラースタッフが積み上げてきたロケ場所でのルールなんてものは、当然分かる筈がありません。

ならば監督が変わるシステムを採用している以上、それらの常識も伝達されるようなシステムに改めなければならないのではないでしょうか。

この場合、勿論一般常識を理解する人格なら別なのですが。

まぁいずれにせよ一番かわいそうなのは、誰からも指示が出されない、孤独な監督自身なのでしょうね。
posted by piyota at 01:34| 東京 ??| Comment(2) | TrackBack(0) | 業界常識? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月23日

誰も知らない

久々にとんでもない組に参加しました。

この日もレギュラーの連ドラが撮休の為、とある2時間ドラマの応援に行ったのですが、この日はたまたまそのドラマ自体のクランクアップ日で、後は日程上のこぼし分を回収するようなお気楽なスケジュール… と思いきや、何と最終日にも関わらず、作品上最も重要なラストシーンが未だ残されており、しかもこの梅雨空の下、一日中雨の予報に、無謀にもオールオープンのロケを敢行。 更に最悪の事に予備日も全く用意されておらず、5・6日後にはもうオンエアーという、撮影サイドのみならず、編集サイドにとっても、まさに地獄的なハードスケジュールであった訳なんです。

そもそもこのドラマ、聞くところによると、クランクインの当初から曰く付きで、台本の決定稿が刷り上がったのが、イン前日の22時というからまさに驚きです。

映画も数本撮っているという、こだわりの監督も、その後に色々自分で脚本を書き直したりして、美術や助監督等の準備パートにそれらの直しが行き渡るのが、最悪当日の朝… なんて感じですから、毎日がまさに心理戦。 監督が求めそうなものを常日頃から推理しておかねばならないような事態だったのです。(現実もそうなんですが、さすがにもっと準備期間はあります(笑))

まぁそんな状態ではありつつも最終日を迎え、一方僕はというと、そんな苦労を知る由もなく、いきなりその現場へ参加させられていたのです。

よって、前日告げられたのは第一現場への入り時間のみ。 当然のようにスケジュールや地図はなく、ただそれらが口頭によってのみ教えられただけでした。

しかし驚くのはこの後。 なんと、最終日のスケジュールは、第一現場に入ったメインスタッフその他のパート、役者にさえ配られておらず、全て未発表の状態。 それどころか、ラストシーンである筈の第二現場でさえ、まだ場所が未定であるというのです。 しかも例え場所が決まったとしても、当然許可の申請は間に合いません。

つまりロケの最終日において、ラストシーンの撮影前に 《スケジュール無し》《ロケ場所未定の地図無し》《無許可(ゲリラ)》の3拍子を揃えて、果敢にも挑もうとしていたのです!

更に更に第一現場へ到着した監督は、未だにラストシーンの書き直しをしている始末。

もはや“誰も知らない”のはスケジュールでも地図でもラストシーンでもなく、この作品の撮影開始にゴーサインを出した制作サイド上層部の頭の中なのかも知れませんね。
posted by piyota at 02:54| 東京 ??| Comment(4) | TrackBack(0) | ロケ日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月20日

そんなに落としているのかぁ?

連続ドラマの中には、数々のロケセットが出て来ます。

それは勿論、主役クラスが住んでいるマンションや一軒家、通っている会社やお店の外観等のいわゆるレギュラー物件に始まり、その回にしか登場しないような小さな物件、道や橋、公園等の公共物他、それはそれは気が遠くなる程、数々のロケセットで毎回埋め尽くされている訳ですね。

その中でもレギュラーの物件は最重要で、連ドラの期間にあたるおよそ3ヶ月もの間、幾度となく同物件に足を運ぶ為、撮影するにあたっては、こちらサイドが考えるありとあらゆる条件をクリアーしていなければならないのですね。 それは例えば立地(通勤圏)であり、撮影時間帯が考慮(早朝、深夜、祝休日)されるものであり、加えて使用料が安く、地域住民やその物件所有者等の快い理解があってこそ成り立つものでなければならない訳です。

今回の場合、レギュラー物件は大まかに分けて8つ。 主役のマンションを始め、勤めている会社の内部及び外観、主役が通うお店が3件に、通勤する道が1ヵ所と病院が1ヵ所。

つまりこれらの物件を、大体1話につき、1〜3回は通わなければならないのです。

まぁそれでも1ヵ所を除きオール23区内ということで、近場だし一度行ってしまえば後は御茶の子さいさい、地図を見ずとも行けるようになるので、ドライバーとしては、このような物件が一日に何か所かはめ込まれていると、その分の予習は差し引いて考えられるので、少しばかり手間が省けたりするは正直嬉しい限りなのです。

そんな今回のレギュラー物件なんですが、困った事が幾つかありました。
その一つが、ロケ車両の止め場所の問題。 そうなんです。 これらレギュラー物件のうち半数にあたる4件が、駐停車困難な交差点や街道沿い、そして住宅街や抜け道に該当しているのです。

このような場合、得てして地域住民や通行するドライバーの反発にあったり、あらゆるトラブルの火種になりやすいのは承知の通り。

それは例えば地域住民による警察への通報が3回であったり、ロケバスへの一般車両の接触が3回であったり、更には我々の駐車が原因と思われる一般車両同士の接触が1回(特にお咎めは無し)と、今回は特に散々な状態な訳だったのです。

ましてや1度しか行かない物件ではなく、これから後何回も行かなければならない現場付近でのトラブルは出来れば避けたいもの。 さすがに放送半ばにして主役が引っ越しや転職をしなければならないのは(過去に一度あり(笑))、ドラマ作りの上では、あってはらないものですからね。

ですが…

こちらの願いも虚しく、大きく変わってしまったレギュラー物件がありました。

それは主役の一人が通うちょっと特殊な形態の喫茶店なのですが、最後に行ったのが第2話分の収録の日で、次に訪れたのが約2週間後の第4話収録時。

なんとその喫茶店は、レギュラー物件にも関わらず、その間に内装や店名まで一掃してリニューアルオープンしてしまったのです!

これにはやはり驚きました。 制作や演出サイドとどの程度の話し合いがなされていたかは知りませんが、レギュラー物件が途中でリニューアルするというのは、例えば連ドラの主役が、内容に関係なく髪を短く切ってしまうようなものです。

このような場合、果たして繋がりはどうなるのでしょうか。 まぁ多分、そこまで気にする視聴者もいないとは思いますけれど…(笑)

それよりも僕は、この物件がリフォーム出来る程の予算をどこから捻出したのかが気になります(笑)

まさかとは思いますがねぇ(¬_¬)
posted by piyota at 22:48| 東京 ??| Comment(0) | TrackBack(0) | 業界常識? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月18日

これがボクの生きる道

ドラマのロケが飛び飛びとなっている間に、昔から少々得意としてきた旅番組の仕事が入ってきました。

まぁ旅番組と言っても、昼帯ドラマのように、一週間のうちで月曜から金曜までの間、毎日5分位ずつオンエアーするような小さな旅番組。 二人の若い女の子が旅先で色々な風景を堪能するという、単純かつ明快な内容は台詞すら無く、ただイメージカットの羅列による構成の為に、スタッフ数も最少人数のおよそ6人。 本来なら小さめな車両でも事足りるような機材の量と人員ではありましたが、現場である東北地方までの距離と1泊2日分の私物の量を考慮して、贅沢にもロケバス一台での移動となったのです。

ただこのロケには、ちょっとしたスポンサーが絡んでおり、そのスポンサーを紹介するような構成そしてカットを、タイアップの意味も兼ねて、幾つかちりばめなければならなかったのです。

そのスポンサーとは、とある鉄道会社でした。
つまり女の子たちは、この鉄道に乗って旅をするという設定が前提とされていたのですね。

よってここからが、元鉄道マニア(特に関係ありません(笑))でもあり、元旅番組の鉄道追跡専門ドライバーでもあった僕の腕の見せ所です。

まず旅先のイメージに関してのロケは、通常通り行います。 スタッフ全員が一丸となって撮影をする訳です。

そして鉄道が絡んだロケの場合。 これはキャストが絡んだ通常のA班のロケクルーと、いわゆるB班である鉄道の客観撮影班に分かるのです。

A班はキャストと共に、その表情や風景を撮影しながらその鉄道に乗り込みます。 そしてB班は、その鉄道が通り、尚且つ全体の風景が良い場所で予めカメラをセッティングして、その当該車両の通過を待つ事になる訳です。

ここで少々余談。

鉄道等を絡めたロケの場合、予算のあるドラマロケ等では、このように同時に撮るような賭け事はあまりせず、日を改めたり、ちゃんとしたスケジュールを組んでどっしりと構えて撮影することが多く、例えB班を組んだとてそれは同じ事で、同じ車両を何回も撮るのではなく、時刻表を吟味し、当該車両と同じ柄の鉄道を何度も待ち続け、ロケ車両の移動に関してもゆっくりとした安全な移動を前提とした余裕のスケジュールで組まれており、更に役者を絡めた客観においても、そのポイントは一つに絞った適切なものであったりするのですね。

しかし今回のような番組の場合、予算の程は知りませんが、スケジュールはたったの1泊2日。

つまり、この2日間の間に必要な客観(人物絡みを含む)を撮り切らなければならないのです。

ではこの日の動きです。

まずは始発の駅でA班とキャストを降ろします。 その後、出発して12分で当該車両が通過するであろう約9キロ離れた鉄橋のポイントへB班を乗せて移動します。

そのポイントで無事客観を撮り終えると、機材を撤収し、約6分後に到着する都合3つ先の駅での出発する映像をおさめる為に、大至急移動を開始しなければなりません。

というのもこの出発シーンを撮る為には、その駅のホームの先にある踏切りが閉まる前に、それを渡りきらなくてはならず、その踏切りを渡る為には、今通過したばかりの鉄道を、この6分のうちに抜き去らねばならないからです。

唯一救いなのは、この間一度だけ他の駅に止まるということ。 まぁそれでも6分しかないのですから、普通の道路事情でもギリギリ行けるかどうかの瀬戸際だったのです。

案の定、平行して走る線路上には当該車両の姿は見えねど、通過するほぼ同じのタイミングで、踏切りの警報器が鳴り出しており、これはまさしく、見えない脅威との並走という意味で、今までに経験した事のないスリルを楽しんむ事になったのでした。

結果、踏切りを渡り切った時に警報器が鳴り始め、ギリギリの所で第二ポイントである出発シーンの撮影に成功。

そして更にこの後も鉄道を追う為、この場を足早に出発。

しかしこの先はダムが林立する峠道。 当該車両の方もクネクネとしたトンネルの多い山間部を進む為、車内スタッフとの連絡も音信不通。 更に最悪な事にこの先の撮影ポイントが未定の為、それを地図上で探しながらの移動。 後は予定表に掲載された終点到着時間からの逆算で、通過する時間を特定しつつポイントを探さなくてはならなかったのです。

この間およそ15分。 地図上より、線路と道路が一番接近する場所を探して踏切りを横断。 田園風景を背景に出来る畦道にロケバスを止め、素早くキャリアの上からカメラを構えます。

後は逆算した時間が正しいかどうか… もしかしたら既に通過しているかもしれない。 そんな一抹の不安を胸に、我々B班は当該車両の通過を願いました。

そして… 数分後。

「来た!!」

そこには紛れもない当該車両の通過する姿があったのです! 我々は確かに同じ車両を3度撮影することに成功しました!! これにはB班のスタッフも感動です。

そして僕自身、久し振りに生き生きとしている自分の姿に驚きを隠せませんでした。

…もしかしたら、このフィールドがボクの生きる世界なのかもしれません。 狭く慌ただしい街中で、迫害されるように、いつも白い目で見られているドラマロケより…

どこかこのような撮影を専門的にしている会社はありませんか?

今なら、やる気あるドライバーを紹介する事が出来そうな気がします(笑)
posted by piyota at 07:03| 東京 ?J| Comment(2) | TrackBack(0) | ロケ日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月14日

デジャヴ

午前4時―

携帯にセットしてあった目覚ましのタイマーが作動します。小気味よいバイブレーターの振動が、ベルトに付けた携帯ホルダーから俄かに身体へと伝わって来て、「もう起きる時間だよ」と、主人の体を揺り起こします。

ん、待てよ。 腰のベルトの携帯って… 家ではいつも、寝起きの瞬間は耳元にある筈の携帯。 それが何故腰のベルトに? しかも主人は、どういう訳か既に車の中にいるではないか。

まるで夢の中でも彷徨い歩いているかのように記憶の断片が途切れ途切れだった僕は、まず順を追って、この日にあった出来事を思い出してみることにしました。

この日の仕事は、その第一現場が少々遠出のロケセットだった為、早朝6時15分に機材を積み込んで出発。 事務所での車両乗換えや準備やらの時間を含めて逆算すると、なんやかんやで起床は午前4時となるので、毎日起動するように設定された携帯目覚ましの時間を、この日は4時に合わせて起き、まだ薄暗い早朝の大通りを、眠い目を擦りながら、一路事務所へと向って行ったのです。

午後3時―

一ヶ所目の現場が終わり、二ヵ所目である都心部のロケ現場へ、ロケ隊の全車が大移動を敢行します。

次の現場ではナイターロケがメインになる為、少し明るいうちから現場であるビルの屋上へと機材や飾り込みの荷物を上げ、一通りの段取り(ドライ)や食事を済ませ、陽が暮れて完全に暗くなった時点で直ぐにでも撮影が開始出来るよう、全ての準備を予め整えておきました。

一方車両チームはと言いますと、ロケ隊が屋上でのナイターロケという事で、煩わしい交通遮断等の手伝いもなく、20時以降は駐車禁止指定場所からも除外されるようなオフィス街だったので、まぁそれでも一応は車から離れたりはせずに、後は心置きなく、ロケが終わるまでの間を、自由に路上で待機する事になったのです。 そしていつしか僕は、ついウトウトと夢の中を彷徨い歩き始めたのでした。

午前4時―

携帯にセットしてあった目覚ましのタイマーが作動します。小気味よいバイブレーターの振動が、ベルトに付けた携帯ホルダーから俄かに身体へと伝わって来て、「もう起きる時間だよ」と、主人の体を揺り起こしたのです。

ですが、ロケは依然続いていました。

なるほど… 毎日起動するように設定された携帯の目覚ましが、翌日の午前4時、再び鳴り始めてしまうまでの約24時間もの間、ロケ隊はただひたすらロケ現場にその身を拘束され続けていたのです。

まさか同じ日のロケで、2日に渡って同じ時間の目覚ましに起こされるなんて…

デジャブ。

いや…

これは確かに、2度経験している。
posted by piyota at 04:48| 東京 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | ロケ日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月12日

大東京帰宅難民スタッフ

レギュラーの連ドラがセットロケとなっていたこの日、僕は別の組のロケハンをする事になりました。

10時渋谷発という事で、いつもよりはゆっくりと家を出て、車両もロケハン用の大きなものに乗換えなければならなかった為、まずは事務所へとその車の鍵を取りに行ったのです。

午前8時前、少し早めに事務所へと到着。

すると…

事務所のある建物の入口付近に、何やら大きな荷物に囲まれた一人のスタッフが立ち尽くしていたのです。

その人物は、僕が到着するなり、少し安堵の表情を浮かべ駆寄ってきました。

「あー、良かった! piyotaさん! 一時はどうなるかと思いましたよ!!」

その人物は女性のセカンド助監督で、以前何度か一緒に仕事をしており、とりあえず面識のある人物にここで会えたという事だけで、彼女にとっては、実は途轍もなくラッキーであったということを強調されました。

聞くところによると、彼女たちの組は昨夜まで京都ロケをしていたらしく、そのロケ終わりで強行帰京。 その後ロケバスは早朝都内入りをし、恐らく渋谷辺りでスタッフは解散。 彼女も私物の荷物を降ろし、一旦は家路に着く予定であったそうなんですね。

しかしここで大誤算発生。

何と肝心の家の鍵、そして財布の入った小さなカバンを、遠く走り去ったロケバス内に忘れてしまったというのです。

ですが気付いた時には、既にロケバスドライバーとは連絡が取れず、到着したのが未明だった為、頼みの制作や演出部も全滅。 とりあえず車両会社であったうちの住所は調べ出したものの、タクシー代も運転手に立替えてもらい、更に事務所前に着いた時点で携帯の電源までがオチるという、まさしく最悪の帰宅難民状態になっていたところだったのです。

そして約2時間程事務所前で待ち惚け…

僕はとりあえず事務所へ行き、駐車場にあるであろうロケバスのスペアキーを取り出しました。 その後、その助監督を乗せて駐車場へ行き、該当ロケバス内からカバンを無事発見。

更にこちらの集合場所である渋谷までの道程で、タクシーを拾いやすい場所まで乗せて行き(何となく…罪悪感)、とりあえず、帰宅難民自体を救助することに成功したのです。

しかし… こちらも助監督送迎の為の早出につき、この時点で出発まで後約2時間の待ち惚け…

僕は駐車困難な渋谷の雑踏の中で、自ら出発待ち難民と化してしまいました…(泣)

このように、時として行き場を無くしたスタッフが、日夜彷徨っているということを私たちは忘れてはなりません。
posted by piyota at 06:20| 東京 ??| Comment(5) | TrackBack(0) | ロケ日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月10日

仕事を家に持ち込むべからず

最近僕自身の仕事が忙しいみたいで、よく家に仕事を持ち込んでいます。

「えっ? 車両なのに家に持ち込むって、一体どういう事?」

それは、こういう事です。

「無理むりムリ無理!! 制作備品は分けて積まないと!」

とか…

「○×テレビです!」

これは、最近僕が喋った寝言なんだそうです(笑)

寝ながらにして仕事をするとは…

仕事し過ぎじゃね? うちの会社は。
posted by piyota at 09:44| 東京 ??| Comment(2) | TrackBack(0) | ひとり言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月09日

オンエアーチェックの盲点

ついに担当している連ドラのオンエアーが始まりました。

他の車両さんは、ドラマなんて見ないと言う人が多いようですが(単に忙しい!(笑))、僕はビデオに録ってまでしっかりと見ます。 しかもそれが、全然現場にも行っていないドラマも含めてなんです。

まぁ基本的には第一話を見た時点でふるいに掛けるので、最終話まで残るのは大抵一本か二本なのですが(担当番組が残らないケースもあります…)、それでも他の車両さんがビックリする位、実に数多くのドラマを見ているのですよ。

それはこの仕事をする以前からの習慣でもあったので、嫌な現場の裏側を見てしまった今でも、それはそれということで、なるべく一視聴者として楽しむ事にはしているのです。

そんな訳で、今回も生憎同番組のロケの為、ビデオによるオンエアーチェックとなったのですが、せっかくの担当番組ですから絶対見逃さないようにと、3台ある我が家のビデオのうち、2台を駆使して、標準そして3倍(未だVHSです)と収録サイズも丁寧に二通り設定し、テレビ番組表から、最近の第1話にありがちな特別延長版(スペシャル)であるという事も確認し、野球中継等の有無(放送延長等)も考慮して、全て万端の状態で“手動”で時間設定をしたのです。

そして放送翌日、とある番組で、同ドラマの視聴率が20%を超えた事を知りました。

これは忙しい合間を縫ってでも、是非見たい。 それで僕は、最近の連続午前様記録更新中の最中、夜を徹してこのドラマを見てみる事にしたのです。

再生スタート!!

オープニングはセットのシーンなので、初めて見る映像でしたが、いざロケのシーンになると、沸々とその懐かしさが込み上げてきました。 それはいつものように「ああ、あんなに時間掛けたのに…」とか「この場所の先が、あの場所な訳ねーのに(笑)」等と一人ツッコミをしたくなるものばかりでしたが、とりあえず完成して繋がったものをこうやって改めて見られるという事に、僕は満足していたのです。

ですが…

再生開始後およそ30分、今まで流れていたテープがプッツリと途切れてしまったのです。 その症状は明らかに収録終了の知らせ。 つまりたったの30分しか収録されていなかったのです!

これは、タイマー予約を手動にした事による人為的なミス。 放送延長を考慮して設定した筈の時間、22時より23時30分という設定を、いつの間にか22時より22時30分としてしまっていたのです。

多分疲れていたのでしょう… しかしこういうケースを予想してのダブル収録です。 僕はもう一台の方の予約したビデオの電源を入れると、まずは巻き戻しのスイッチを押しました。 カウンターはみるみるうちにマイナスをカウントしていきます。 そして丁度1時間半分の巻き戻しが終了した時点で僕は安堵の溜息を吐きました。

これで続きが見られる。

ですが…

再生したテープには、明らかに出演者の違うドラマが映し出されていました。

そうなのです、なんと2台目のビデオは、しっかりと1時間半分のウラ番組が収録されていたのです!!

多分、本当に疲れていたのでしょう…

結局、僕は第1話を見逃してしまったのです。

そんな僕の行動に、僕自身何故だか涙が出る位同情してしまいました(泣)

頑張れ僕!

さあ頑張れ!

頑張って、頑張って…

そんな悲運なロケバスドライバーのドラマが始まらないように…

そして今日もまた、午前様を迎えます。

終了予定時刻が、人為的な書き間違いでありますようにと、願いながら。
posted by piyota at 01:32| 東京 ??| Comment(4) | TrackBack(0) | ロケ日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月08日

俺について来い!

ロケ現場とロケ現場の車両移動に関して言えば、例え用意されたロケ地図が制作部作成のものであっても、そのルート決めのほとんどが車両部に任されるもの。

それはやはり、ドライバー自身の経験とカン、そして交通情報を駆使した総合的判断に優れているから… だと思うのですね(苦) そして何よりも、現場中には地図を開く時間が山ほどあるというのも、単純な理由としてあるのです。

ですがこの日の現場移動において、初めて他の部署から先頭をかって出てくれた人がいたのです。

それは制作部の親玉、担当その人でした。

連ドラなんかの場合、担当といえば、回を重ねる度に増えるロケセットを探す為に奔走しており、現場にいない事がほとんどです。

ですがこの日は、たまたま現場に顔を出しており、次の現場である住宅街の一軒家自体、担当が探してきた物件でもあった為、「この場所は入り組んでいるし、分かりづらいから、それこそ知っている人が先頭の方が心強い!」ということで、「俺について来て!」と言う担当の力強い言葉を信じて皆付いて行く事にしたのです。

でも僕も一応は車両部の端くれです。 とりあえずは自分でも行けるよう、それなりの準備はしていたので、ここは他車に2番手以降を譲り、後に続けなかった車両がはぐれるのを防ぐ為、殿(しんがり)をつとめる事にしたのです。

都内を移動することおよそ15分。 隊列は乱れる事なく現場へと近付きます。

そしてその制作部が作成したロケ地図で言うところの最終コーナー、ここを右折すればもうちょっとで現場だぞという交差点で、先頭の担当車は直進。 続く照明車以下制作車等が相次いで直進。 僕は曲がる事は知っていましたが、あまりにもノンブレーキでその交差点を通過したので、もしかしたら急に物件が変更になったのかも知れないと、疑い半分な気持ちを残しつつも、前車同様とりあえず付いて行く事にしたのです。

そして後もう少しで大通りというところで、先頭車両である担当車が急に左の路地へ入りました。 ちなみにその路地は対向車と擦れ違うことすら出来ないような狭い路地で、確かに住宅街ではありましたが、およそロケ車両を数台も止めて撮影するような場所ではないような感じでした。 結局狭い路地を何度か回った挙句、曲がる予定の信号まで戻って来たのです。

ここで移動当時の各車の談話。

まずは機材車カメラマン。

「あの担当、時々やるんだよね、自分で探した物件なのに、次来た時にはもう忘れちゃう。『あれ? こっちだっけ…』とか言って全然覚えてないんだよね」


そして制作車運転、直属の部下にあたる進行君。

「Uターンすると間違えたのが分かるから、無理矢理路地入ったんだろうけど、それにしてもよく復帰できたなぁ」

そう、やはり先頭である担当車は思いっきり間違えていたのです。 この組始まって以来初めての志願者だったのに…

きっと、明日からまた来ないな(笑)
posted by piyota at 00:30| 東京 ????| Comment(4) | TrackBack(0) | ロケ日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月05日

piyotaシフト

かつて日本プロ野球界を代表するバッターには、それらを打ち取る苦肉の手段として、例えば《王シフト》や《松井シフト》なるものが存在しておりました。

これはそのバッターの得意とする球をわざと投げておいて、最も打球の飛ぶ方向へ、守備陣を集めるというもの。 つまり松井や王の場合、その打球はほとんどライト方面に飛んでいましたから、打ちやすい球を投げれば、必ず打球はセンターより右方向へ飛ぶ確率が高くなります。 よって、ここに守備を集中させれば、より打ち取る確率も高くなるだろうと単純に考えられていたのです。

一方僕はというと、入社してからの3年間、前職の技術会社や出版社時代の経験等から、ドラマ班ではなく、撮影アシスタント的な仕事の多い旅番組やワイドショー等のロケ現場につけられておりました。

つまり、ちょっとした取材ロケや長期に及ぶ地方ロケの仕事が入ると、必ず僕が行くという暗黙の了解が当時より成り立っていたのですね。

これがいわゆるpiyotaシフトです(笑)

得意な分野の仕事を振っておけば、会社としても僕のような我がままなドライバーの文句を聞かずに済みますから、それこそ打ち取ったも同然のように平和な訳なのですね。

というのも、実をいうと、僕は当時より人数の多いドラマのようなロケは苦手で、ずっと逃げるように、少数精鋭?の小さなロケばかり好んで担当していたのです。

まぁ少数精鋭?の方が、例えドライバーでも、照明当てたりレフ持ったり、一応現場の一員として関わる事ができるので、それはそれで前の仕事にも通じるし、やはり黙って見ているよりは面白い(人止めや車止めは別もの)と感じるのは長年の経験で培ったものでしたから。

でもそういった小さめな現場が、ドラマ仕事の増加に伴い、徐々に減っていったのを期に、ドラマ班(そんな分け方はありませんが)を中心とした仕事生活へと転換していったのが、およそ7年前のこと。 その頃はまだ身も落ち着けていなかったので、地方(特に北方や雪国)や、たまの取材ともなればホイホイと長期で出歩いていましたから、会社としても、そんな僕には、当分このシフトで攻めていけば機嫌が保てるとの思惑があったのかもしれません。

随分長い前置きになりましたが、ようはこのpiyotaシフトを、会社は今頃になって仕掛けてきたという事なのです。

僕は現在レギュラーとして連ドラの仕事に就いています。 ロケは少ないにしてもレギュラーである以上は、誰にもその座を渡したくはないのが正直なところ。

しかし、こちらのロケが入っているのにも関わらず、たまたま入った“地方一泊取材”の仕事を名指しでつけられてしまったのです。

つまりレギュラーの連ドラを、面倒な引継ぎまでして代わりに誰かに行ってもらい、その間僕は地方ロケへ行き、更に帰った翌日より、また連ドラに復帰という、まるでノーアウトランナー無しで敬遠みたいな鉄壁な守備シフトを敷いてきたのです。

そりゃあ、得意分野で地方も結構好きですけど、だからといって、わざわざ入れ替える必要はないんじゃないかと思う訳です。 だってそのまま代わりの人に、地方へ行ってもらえばいいのですから。

いや… その考えも、なんかちょっと冷たい感じがしますよね。 なのでちょっと複雑な気分なんですよ、実は。

かつて日本プロ野球界をうならせた《王シフト》や《松井シフト》。

しかし彼らは、そのシフトを嘲笑うかのように、次々と打球をスタンドに放り込みました。

そして現在、不動たる四番バッターpiyotaに課せられた《piyotaシフト》 しかし、その攻略の新たなる糸口を発見したpiyotaはほくそ笑む。

そうか…

「どちらかが雨で中止になればいいのかぁ」

逆転満塁! 

…振り逃げ、かよ。
posted by piyota at 03:17| 東京 ????| Comment(6) | TrackBack(0) | ロケ日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月01日

ロケドライバー減少の一歩

先日付けで、今年になって二人目の退職者が出ました。

これで社員ドライバーが、保有車両台数のおよそ三分の一。 これから7月に掛けて忙しくなるというのに、我が社としても、かなりヤバい状況となってしまいました。

また他社においても、今年は色々と人事移動が多いようで、長年勤めていた車両会社を別の車両会社に変えたり、フリーになったり、または全く違う職種に就いたりと、その再就職先はこの業界に止どまらず、実に様々な方面へと広がっているようなんです。

また新規募集についても、労働基準法の拘束時間問題や、新たに2種免許の取得をしなければならないということ、更に先月から施行された改正道路交通法問題までもが影響してなのか、全くと言っていい程、募集に対する事務所の電話が鳴らない状態が続いているのです。

これはこの業界にとってもかなり深刻な問題です。

なぜならそれは、数年前から取沙汰されていた営業ナンバー問題による、人員、荷物別輸送に対する各現場の車両台数の増加、そして今回の改正道路交通法におけるドライバーの増員等によって、各社各現場共に慢性的な人材不足が発生しているからです。

現在このような状況を打破すべく、経験者であるフリーのドライバーや、空いている他の部署のスタッフ、または全くの素人(誰かの知り合いというだけの)等、頭数だけはとりあえず揃えていました。

ですが、今ではこれらの人材ですら各社取り合いの状態なのです。

つまり、ロケドライバーの数が年々減ってきているように思われるのですね。

それは過酷な拘束時間にも関わらず賃金が安いとか、仕事が安定していないとか、安全面が考慮されていないとか、自由がないとか、様々な理由が考えられる訳ですが、実際には、それをも上回る魅力が、この業界には無くなってしまったのではないかと思われるのです。 更に数々の道路事情や環境を含めて、全ての面においてやりにくくなってきたという現状も考えられます。

そしてこれは某サイトの中にも掲載されていた事なのですが、“現在最もストレスの溜まる職業”の第一位が、〔マスコミ業界〕であるという結果からも、これら業界関係の仕事が、いかに過酷であるかが窺い知る事が出来るのです。

車両業界だけに限っていえば、ここ数年大きな波が幾つかありました。

まず大きな転換となった、営業ナンバー問題。 排ガス規制によるディーゼル車の使用制限。 それから仮ナンバーによる越県や、劇用ナンバーによる走行等が摘発された劇用車問題、そして極めつけは今回の改正道路交通法。

今までは、ちょっと曖昧だったこれらの問題が、次々と浮き彫りになり、一時は車両業界全体が危険な状態となって、営業停止を余儀なくされた車両会社や業界撤退を決断した車両会社も随分とありました。

では、これらを踏まえてドライバー減少の一歩をどこでどうやって食い止めればいいのでしょうか?

それは…

1.まずは給料を上げてみる。

2.そして給料を上げて様子をる。

3.それでもダメなら給料をとりあえず上げちゃう。

今現在、この業界で働くドライバーの皆さんは、恐らくお金以外の目的や楽しみを持って、この仕事をされていると思います。

しかし現実問題として、現収入や職場環境に関してどの位の人がこれに満足しているのでしょうか。

そして残った我々と辞めて行く人たちとでは、これらの考え方が、どこがどう違ったのでしょうか。

そろそろ真剣に考えなければならない時期なのかも知れません。
posted by piyota at 02:31| 東京 ?J| Comment(5) | TrackBack(0) | 業界常識? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする