ドラマ等のロケでロケバスを担当中、現場移動の際には、各車両各スタッフからよくこんな台詞を聞かされます。
「付いて行きます」
「引っ張って下さい」
「キャラバンで」
これらは皆、移動をする際に、道を知っているであろう車両部の車に付いて行こうとする、一種の手抜きの姿勢であると推測出来る訳ですが、実際問題として多くのパートが乗車するロケバスがこれらを連れて走るということ自体、引いては現場移動の時間的ロスに繋がるという事を、実はまだ誰も気付いてはいないようです。
それは繋がる台数が多ければ多い程、信号に捕まる率も高い訳で、信号無視を余儀なくされた車両も数知れず、何度も事故の可能性を引き起こしたのは隠す事の出来ない事実でした。
ですが、付いて行く方からしてみれば、現場地図が前々からあるにも関わらず、調べる事すら出来ない忙しさの中で、唯一現場移動を確実にする手段の一つとして、こうして車両部を頼りにするというのは確かに仕方がない訳で、はぐれた一台が全く行方不明の状態になるよりは、遅延の具合も格段にマシではあると言えるのかも知れません。
しかし先日、付いて行く方は楽だと思い込んでいた僕に、それらを体験する機会が訪れたのです。
とあるドラマで機材車を担当した時の事。
その日は劇用の観光バス車内でのロケがメインだった為、機材車だけがこのバスの移動撮影に付いて回らなければなりませんでした。
その理由として、勿論何らかの機材トラブルに即座に対応するという事があげられますが、更にその他の関係車両が到着予定場所へ先回りする背景として、窓外の見切れや交通渋滞の予防を含む、適度に身軽な移動に重点をおいていたからなんですね。
という訳で、観光バスの後ろにピタリと吸い付いた僕の機材車でしたが、行き先だけは聞いていたものの、都内縦断に関する道の選択は全て観光バスの運転手任せであるという事で、絶対に見失ってはならないというプレッシャーを俄かに与えられてしまったのです。
しかし相手は大型観光バス。 都内の走行に関して言えば、それ程機動力を発揮しないであろう… と高を括ったのも束の間、渋滞激しい都会の獣道を迷う事なくどんどんと進む。 更に信号が変わりそうな大きな交差点では、無理矢理最後尾にくっつくもんだから、こっちは手前の信号で足止めを食らってしまいます。
ですがそれもやむを得ない話、観光バス程の大きな車は、そうでもしないとこの渋滞の中では一向に前へは進めないのです。
そして更に信号に捕まっていると、大通りの左右から、大量の一般車が傾れ込んで来て、目の前の目標はどんどん遠のいて行きます。
そんなこんなの繰り返しで、すぐ前にいた観光バスは、いつの間にか2ブロックも先の交差点を右折して行くではありませんか。
この時点でもう完全に観光バスを見失ってしまった僕は、信号待ちをしながら、行き先までの道順を自分に置き換えて再検討してみました。
右折するもバスの姿は無し。 恐らく右折後更に、その先を左折したに違いない。 …等と苦し紛れに推測を立てて、観光バスの見えない足跡を辿り続けて行ったのです。
数分後、曲がった先の大通りに観光バスの後ろ姿を確認しました。 ここまで来れば後は一本道。 後はどんなに置いて行かれようとも、必ず後ろにはつけられます。
この時点でやっと肩の荷が降りたと、溜息を吐く事が出来たのでした。
つまりキャラバンは、引っ張る方も難しいけど、ついて行く方も結構難しいということ。 その台数が多ければ多い程、お互いに難易度は上がって行くのです。 難易度が高いということは、それなりのリスク(事故等を含む)も覚悟しなければなりません。
「キャラバンで」と言う方は(主に制作、助監督)簡単に頼んで来ます。 しかし実際にこの大都会で数台の隊列を組んで走るというのは、なかなか難しいものなのです。
シルクロードやアメリカ大陸ならいざ知らず、ここは狭い日本。 しかも東京は数十メートルおきに信号や交差点が点在する大都会なのです。
事故が起きてからではもう遅いのです。
信号無視等の交通違反、高速料金所等での待機等々、キャラバンは常に危険と隣り合わせです。
車両部は、何台も引っ張る事が出来てこそがプロなのではなく、移動をいかに安全に、そして迅速に行えるかを考慮出来る者こそが、プロであるべきなのではないかと身を持って痛感した一日でした。
キャラバンは 危険を伴う 移動かな
piyota
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2006年11月12日
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そうですね。キャラバンでは先頭も追いも余計な神経を使う事は確かですね(笑)移動回数も少ないような地方ロケが一番です。選択肢もなく交通量も少ない道では、キャラバン移動を楽しむ?余裕さえありますが、ほんと都内は嫌です。最後尾まで気にしながらゆっくり走っていると、痺れを切らしたクルマに強引に割り込まれたり、キャラバンの遅さにイラついき車間を詰めている一般車からの追突の可能性とpiyotaさんがおっしゃるようにリスクがたくさんあります(泣)
都内ロケでマイクロ数台、機材車・制作他、タレント車も含めて多数のキャラバン移動だけでも大変なのに、イレギュラーでトイレやコンビ二などへの立ち寄りがあると停め位置にも悩みますからいつもクタクタになってます。
十年やっていてもこれだけは慣れません(笑)
同じ様に思ってくれている人がいて、正直ホッとしています(笑)
確かに地方や交通量の少ない場所では、それ程気にする事もないのですが、交通量の多い場合や果てしなく長い移動の場合には、ホント気苦労が絶えませんよね。 引っ張りは、やはり間に他の一般車を入れてはいけないですし、出来れば信号等でも離れ離れにはなりたくありません。 …等と思い、2車線ある通りで真ん中に挟まった一般車を先に行かせようと車線変更すると、ホントはそのままの車線がいいのにキャラバンの車がみんな一斉に車線変更してしまったり、勝手についてきた機材車や照明車が、終わった役者を降ろす為に経由した駅まで一緒について来てしまったりすると、何か間違った方向に導いたみたいで、内心嫌な気持ちになってしまうんですよね。 その他にも後続車両に関係のない寄り道があったり、その度に「ああ、ついて来なきゃいいのに…」なんて正直思ってしまいます。
ちなみに僕は以前、制作車に追突されたことがあるんですよ。
まぁついて来るにしても、せめて行き先だけは前もって確認しておいてほしいと思いますよね。