新着記事

2007年08月19日

暫定通達事項

私自身の、この業界に対する意識が大きく変わろうとしています。

勿論自分が21年も歩んできた映像世界ですから、そう簡単に頭から無くせるものではありません。

ですがここ数年、特にこのブログを立ち上げてからは、どこかでやはり、この世界に対する疑問や不信感で満たされていたのではないかなぁと思えるのです。

この仕事を目指して映画学校に入った10代の頃、これは人に夢を与える仕事なんだと、照れくさくも本気で考えていました。

確かに出来上がった作品、また、劇場で見る他の人たちが作った作品を見る事で、時には笑ったり涙した事も正直数え切れませんし、例えばドラマ以外の情報番組やその他の番組等でも、知り得た情報も数知れません。

まさしく私にとっても、ましてや世間にとっても、テレビや映画無くして娯楽は語れないと言っても過言ではないものであったのです。

ならばそういった作品作りを陰で支えるスタッフになろう。 それがこの人生への第1歩でした。

最初の数年は、小さな技術会社でカメラアシスタントとしてワイドショーや情報番組を経験し、次にテレビ番組とは無縁のビデオ映像作りを約7年程していました。 その間、映像への思いは更に膨み、ついに映画やテレビドラマへの希望を見出したのです。

そこで私は、更なる自分の活路として、これらスタッフ全てをサポート出来る業務を選びました。 それは一つのパートに固執しない車両部という総合的なサポート業務です。

車両部は、時には制作部の手や足となり、時には撮影部や照明部のアシスタントをし、時には衣裳やメイクの道具を運び、時には監督や助監督の愚痴を聞きます。

これらは全て作品作りの為の、車両部なり、いえ私なりの生きる道であったんですね、及ばずながら…

それが例えばスタッフテロップに名前が載らなくても、例えばその業務内容の全貌が誰にも知られてなくても、それがサポート業務の宿命なのだと自分に言い聞かせながら、今日までがむしゃらに歩んで来たんだと思うのです。

そして車両パートとして区切りの10年が経ち…


テレビドラマ(映画)作りは相変わらずです。 毎日毎日密度の濃いタイトなスケジュールに何の疑問も持たない勤勉なスタッフたちは、日々襲い来る睡魔と戦いながら、果たしてこれが報われるのであろうか等とは一切考える余裕すらなく日々を過ごしています。

そして我々車両部と呼ばれるドライバーは、作品を制作する会社とは独立したそれぞれの車両会社の元、いわば安全運転が原則の法律の中で、各スタッフや荷物を無事に現場へと届け、尚且つ現場では、それらスタッフのサポートをすることを、今現在も疑いもなしに生業としているのです。

しかし近年、状況は変わりつつあります。

車両会社は、社会の風潮や世間の非難等を受けて、ロケ業界より真の独立(旅客業へと)をしなければならなくなってしまったのです… (真の独立とは、あえて言うなら、この業界における長時間労働、長距離運転等のドライバーに掛かる今までの過度の負担が、労働基準法等によって全否定されるということ)



このブログを始めてから丸2年の月日が流れました。 その間、書き込んだ記事の数はおよそ342にも及びます。 コメント数は1183を数え、訪れて下さった方々も気が付けば有難いことに10万人を遥かに超えておりました。

自分自身でも、ここまで長く書き続けられるとは正直思ってはいませんでした。 これも偏に訪れて下さった皆々様方、そしてコメント下さった各方面各スタッフの皆々様方の陰ながらの応援(失笑?)に、それこそ僕自身が支えられていたからに他なりません。

また身勝手な言い分にも関わらず、言いたいことも言わずに暖かく見守って下さった多くのスタッフやその他の皆々様方にも深く感謝すると共に、これからもこの業界で働き続ける意思を持った多くの諸先輩方、同業種、同僚、そして新たな目標としてこの世界に夢を見出そうとしている若者たちにとっても、このブログが、良くも悪くも何らかの形で役に立てたのであれば、それはそれでとても幸いだったと思っています。

この度、真の独立を受けた業界より、当ブログの内容がチクリになるのでは? との不可解な指摘を受け、一緒に働く同僚や仕事仲間のことも考慮して、あえてブログ自体を暫定自粛する事にいたしました。 より良い環境作りの為を思ってのことでしたが、どうやら今回は逆効果に終わってしまったようです。

皆様にとって、全身全霊を捧げられる良き業界でありますように…

またいずれ、どこかでお会い致しましょう!!


※ 尚、以前書いた記事の中には、それなりに皆様の参考になるような内容のものも実際あるかと思いまして、ブログ自体はそのままの状態で残しておこうと思っています。

piyota.jpg piyota???i?`???L?j
posted by piyota at 22:39| 東京 ?J| Comment(13) | TrackBack(0) | ひとり言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
非常に残念でなりません。まだ現場でお会いしてないのに。是非、違う形でまたブログを始めてください!お願いします!
Posted by ユッさん at 2007年08月20日 12:14
ラストに載せている紙コップがとてもシュールに感じつつ…

piyotaさんが、2ヶ月にわたる自粛をされた経緯を勝手な判断から察しますと、ここでは言い尽くされぬ事が多々あったかと思います。チクリとの指摘という言葉がとても気になるところですが…事実無根ならば、そんな発言しませんからね、普通。
私、元二号車は心からpiyotaさんを応援してます!!
Posted by 元二号車に乗りし者 at 2007年08月21日 07:35
piyotaさん、近い将来どこかでお会いできると信じていますよ♪
Posted by 東京ドライヴ at 2007年08月21日 10:38
深いご事情があったんですね・・・。
非常に残念ですが、、いやいや大丈夫です。Piyotaさんは必ず戻ってくると信じていますから♪異業種に転職を繰り返しても結局この世界に戻ってきた人を何人も見ていますから。楽しい事がたくさんあるのに簡単には辞められませんよ。絶対に・・・(笑)
Posted by 環七 at 2007年08月21日 12:41
はじめまして。ずっと長らく拝見しておりました。
少し違う業界に長く居て、ここ数年はpiyotaさんの世界でも多少働く機会がありました。労働環境そのものは似たようなものでしたので、そう簡単に労働環境が変わる代物でないことも良く知っています。
しかし、私の知っている限り、時代の先端をいっているはずの業界が、一番時代から乗り遅れているように感じました。
礼儀や互いを尊重する気配が少なく、勢いだけでしのいでいる印象を受け、昨今、良い作品が少なくなっていると言われる理由が分かるような気がしました。
はじめは、無礼な人しか働けない業種なのかと思っていましたが、個々人の人格の問題ではなく、皆さんの体力的・精神的なゆとりが無いだけなのだと気づいた時、私はショックを受けました。
なぜなら、芸術文化の世界からゆとりを取ったら、何も生まれないことを知っているからです。
良い物を作りたいという気持ちは空回りし、流行りを模倣する目先の焦りが表れ、めまぐるしく変わるスタッフ同士の連携の無さなど、衰退の道を突き進んでいる感じがして・・・。
その中で、本音を書いているpiyotaさんの勇気と洞察力は、業界に参加したことのある堅気(!)の世界の私には、安心できる場所でした。
物を作り出す仕事は好きなので、これからも参加することがあると思いますが、その頃にはpiyotaさんの本音が、前向きな意見として受け入れられているよう祈っています。
無茶することが美徳ではなく、出来上がる作品そのものが美徳の証となっていますように。
そして、車は凶器でもあり、運転手は人命を預かっているという基本的なことを忘れない
運送業者が増えることを願っています。
今まで有難うございました! 
Posted by 残暑見舞い at 2007年08月22日 19:26
先々月以降、piyotaさんのブログが更新されていないところを見て、なにかあったかなとは思っていましたがやはり思い切る事があったようですね。

何度かこの掲示板にも投稿させて頂きましたが、数々の現場を直接体験しているこの私(現役の制作担当)でさえ、このブログから得たことが多々ありました。
また、piyotaさんのブログを読むにつけ、「この業界の常識」への違和感を、同じ目線で共有する同志がいたことに安堵したりしました。

piyotaさんとは10年近く現場で一緒に過ごしてきましたが、このブログを通して初めてpiyotaさんの人となりが理解できたように思います。

私の勝手な思いですが、きっとpiyotaさんは本来創作側にいるべき人間なのかも知れません。
自身の心まで腑分けして覗き込むような精神科医の目と、土の重みで過去を探る考古学者のような感覚や、一つ々の事実を積み重ね解き明かす作家の心根などを併せ持ち、年齢とともに(失礼!)仁者の風もそなわってきたように思います。
今回の自粛はその仁者の部分か、精神科医の部分が結論を導いたのでしょうか。
自粛されるのは非常に残念です…、致し方ないのですかね。

いつの日か、チョット違う…?piyotaさんのブログの再出発を期待しています。
Posted by 嘆きの制作担当です at 2007年08月24日 16:50
こんにちは。
お元気でしたか?
姿が見えないととっても寂しいです。

私がこの業界に進む事を決めた
 このブログ。。。とっても寂しいです。
どこかの現場でばったり!!
  なんてありますかね?

いつか何処かでお会いできると
  いいですね。
Posted by saopyon♪ at 2007年08月25日 15:11
心に思って言えない言葉、、
心に思って言える言葉、、

このブログは両方兼ね備えている。


Posted by プロダクション経営者 at 2007年08月27日 00:20
そうだったんですか…
いろいろと深い事情があるんですね。
私には、とうてい想像もできない世界ですが
piyotaさんのブログのおかげで、
piyotaさんのような縁の下の力持ちとして
日々頑張っている大勢の方々を思うことが出来ました。

どうぞ、これからも
お体だけはくれぐれも気をつけて下さいね。
Posted by 月うさぎ at 2007年08月31日 13:41
私もずっと、piyotaさんのブログを楽しみにしていたものとして、非常に残念に思いますが、正直大丈夫なのかしら?と思ってもいました。同じようなお仕事の人間として、日々励まされていました。ありがとうございます。
Posted by りんご at 2007年09月02日 01:51
みなさんの書き込みを見ていますとPiyotaさんの人望の高さを感じます。発注者でもある制作さんや同業の方々、皆さんから心配されているお声や惜しまれるお気持ちがヒシヒシと伝わってきます・・・。過酷な現場が終わりくたくたになって帰宅してもここに来るのを日課としていました自分としても非常に寂しいです。Piyotaさんが悩み、考えぬいての答えかも知れませんがもう一度再考してみては如何でしょうか?お願いします!
Posted by 環七 at 2007年09月03日 06:25
こちらには初めてコメントさせていただきます。
かつてpiyotaさんと同じことを感じ、挫折し、諦め、業界不信になってしまっていた私ですが、こちらのブログを拝読して、「それでも頑張っている人々」の姿に深く感動していました。そして、それらに注がれるpiyotaさんの温かい視線にも。
今回のこの結論…。思考を放棄することも、感覚を麻痺させることも、出来なかったが故の結論であろうと思います。「子供じゃないんだから」とどこかで「大人」が笑っているかもしれません。
でも子供でもいいんだと思います。子供にしか生み出せないものもあります。
長々乱文失礼致しました。今後も応援しています。そしてありがとうございました。
Posted by ロビ at 2007年09月04日 10:56
piyotaさん お元気ですか?
私は元気です♪
Posted by 東京ドライヴ at 2008年03月21日 08:25
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/51963470

この記事へのトラックバック